フランス情報、パリを中心とした情報メディア「パリエトワ」 フランスと日本をつなぎます

12月14日 1€=121.73円くもり10℃ / 8℃

登録のお問合わせ

Paris Yoga Circle

パリヨガサークル

Yoga columnヨガコラム

2019.10.03

ヨーガのポーズ 第四回 シャーバアーサナ

ナマステ!
 
 秋の気配が色濃く、朝晩は冷え込むようになってきましたね。
 
 今日は一番人気ポーズの一つ、シャーバアーサナŚavāsanaをご紹介いたします。



Śavāはサンスクリット語でcorpse(死体)を意味し、日本語では「屍のポーズ」と訳されます(「亡骸のポーズ」、「無空のポーズ」という訳もある)。横になって寝ているだけに見えますが、5分で一時間の深い睡眠に匹敵する効果があるとも言われる力強いポーズです。そのやり方はただ横になるよりもずっと複雑で、その体験はただ眠るよりもずっと深い瞑想感があります。
 
''When you practice this asana, your organs of perception – the eyes, ears, and tongue – withdraw from the outside world. The body and the mind become one, and you experience inner silence. This asana is the first step in the practice of meditation.''
(BKS Iyengar, YOGA, Dorling Kindersley, 2001, p.150)
(このアーサナでは知覚−眼、耳、舌を外界から退けることを学ぶ。体と心が一つになり、インナーサイレンス(内なる静寂)を体験する。このアーサナは瞑想を第一歩である。注:日訳補足)
 
''By āsana practice we can know how to face the ultimate relinquishing of all our attachments and addictions. In Śavāsana, we begin to train and educate ourselves for surrender… Learn how to do Śavāsanawell, that simulates death and brings silence and non-movement. After all, what is death? It is a non-existing and a non-feeling state that one experiences often in Śavāsana.''
(BKS Iyengar, YOGA Wisdom & Practice, 2009) 
(アーサナをプラクティスする中で、我々は(自分が持つ)全ての執着と常用癖をどのように究極的に手放すか、直面せざるをえない。シャーバアーサナ(屍のポーズ)で自分自身を降伏させることを修練し、教育し始める…。。シャーバアーサナのやり方を学ぶこと、それは死(絶命)の促進、静寂と不動の到来である。突き詰めていくと死(絶命)とは何だろう?それは非存在、無感覚というシャーバアーサナでしばしば体験することなのだ。注:日訳補足)
 
''The three layers and five sheaths that comprise your body come together and are integrated into a single, harmonious whole. This is the ultimate aim of Śavāsana.''
(BKS Iyengar, YOGA, Dorling Kindersley, 2001, p.152)
(体が包む3つの身体Tri Sharira //最内層にある原因体カーラナ・シャリーラkarana sharira, 中間層にある微細体スークシュマ・シャリーラsuksma sharira, 最外層にある粗雑体、スカーリャ・シャリーラkarya sharira//と5つの鞘パンチャ・コーシャ//食べ物からなる鞘、肉体であるアンナマヤコーシャannamaya kosha、プラーナからなる鞘、プラナヤーマコーシャpranamaya kosha、意識からなる鞘、マノーマヤコーシャmanomaya kosha、理性からなる鞘、ヴィジュナナマヤコーシャvijnanamaya kosha、至高の鞘、アーナンダマヤコーシャanandamaya kosha//が集まって、一つの調和した全体に統合される。これがシャーバアーサナの究極的目的である 注:日訳補足)
 
私たちの体と心は強く結びついています。しかし私たちは生まれながらに肉体に縛られ、体の自由なしに、心をまず自由にすることは非常に至難なことです。
 
''Unless freedom is gained in the body, freedom of the mind is not possible.''
(BKS Iyengar, YOGA, Dorling Kindersley, 2001)
(肉体が自由を得ることなしに、心の自由などありえない 注:日訳補足)
 
シャーバアーサナは体の中心線に基づいた正しい姿勢で行い、ニュートラルな肉体を目指しましょう。すると身体と結びついた心は安定し、深い呼吸の世界において静寂、瞑想世界への第一歩を感じることができるでしょう。
 
<入り方> 体が頭から足まで完全にマットにのる位置で行いましょう。
  1. ダンダアーサナで座る(第三回コラム参照)
  2. 座ったまま膝を曲げ、二つのかかとをくっつけた状態で、両かかとをお尻の方向へ持ってくる(膝と胸の間には距離を保ち、腰が丸くなったり、背中が丸くなったりしない位置で止める)。
  3. 手のひらと前腕(肘から下部分の腕)を地面につき、肘に寄りかかるようにして胸を後ろに持っていきながら、胴体を地面の方向へ倒していく。
  4. 頭後ろ側の中心をしっかり地面に休める。顎が上がったり下がったりする場合は毛布などを使い頭の高さを調整し、頭が前後に傾かないようにする。
  5. 足を一本ずつ伸ばし、目を閉じる。両手をそれぞれのサイドに開き、まっすぐに伸ばした後、手のひらを天井に向けひっくり返す。
  6. かかとを左右均等に開き、足の指を優しく外側へ落とすようにして倒す。それに伴い膝頭、太ももも外側に倒れる。
  7. 体全体を完全に脱力し、5〜10分リラックスする。
<アクションポイント>
  1. ダンダアーサナで座る(第三回コラム参照)
    ・体重は左右の座骨に均等にかかっているか。
    ・背骨や腰は曲がっていないか。
上記が難しい方
  • 毛布などを使ってお尻の高さを高め、両方の座骨を均等に(地)面に押し付ける。
  • 両手を一本一本使って、座骨付近のお尻の肉を斜め後ろ側に引っ張り、座骨の周りの筋肉が邪魔しないようにする。
  • 虎の手で地面を押しながら、背骨を(地)面に垂直に伸ばす。
  1. 座ったまま膝を曲げ、二つのかかとをくっつけた状態で、両かかとをお尻の方向へ持ってくる(膝と胸の間には距離を保ち、腰が丸くなったり、背中が丸くなったりしない位置で止める)。
    ・お腹の前側を背中側に押し付け、腰を曲げないように注意する。
    ・かかと、膝はくっつけたままで。
上記が難しい方
  • 毛布などを使ってお尻の高さを高める。
  • 座骨を地面に押し付けながら、胴体を前屈みにした後、腰骨から背骨に向かい、関節を一つ一つゆっくりと伸ばしていく。
  • 膝より下の脛の上部を抱えながら行う。
  1. 手のひらと前腕(肘から下部分の腕)を地面につき、肘に寄りかかるようにして胸を後ろに持っていきながら、胴体を地面の方向へ倒していく。
    ・手が骨盤サイドから離れすぎている、または肘が開きすぎていないか。肘は左右等しく置かれているか。肘の位置がずれていると、倒れた後の体、頭がずれる。
    ・胴体を倒す際は頭を起点として倒れないように注意する。頭は体の動きに合わせ最後に倒す。
    ・胸骨を引き上げながら後ろに倒れる。胸が縮こまらないように。
    ・胴体を倒す際、椎骨に意識を向け、それを根元から頭の方向へ一つ一つ下ろしていくようにする。
    ・胴体を倒す際、1、2で整えた足、膝、殿部は動かさない。
    ・骨盤を気持ち持ち上げ、尾骶骨の方へ全体を下す。その際、背中の真ん中、腰、お尻はしっかり地面に押し付けるというよりも、自然に下がって地面の上で休んだ状態に保つ。
上記が難しい方
  • 膝を曲げた状態で膝同士を倒しあって行う。または膝裏をボルスターに置き、両足は地面から浮いた状態にする。または膝の後ろ側を椅子の上に乗せ、ふくらはぎからかかとまで完全に椅子の上で休める。
  • 骨盤両側にブロックを置き、ブロックに手を乗せて行う。
  • 腰や背中が浮いてしまう場合、下に毛布を敷いて、体の後ろ側を安定させる。
     
  1. 頭後ろ側の中心をしっかり地面に休める。顎が上がったり下がったりする場合は毛布などを使い頭の高さを調整し、頭が前後に傾かないようにする。(上図参照)
    ・親指を耳の後ろ側から後頭部両側下に出た骨の上、それ以外の指を頭の両サイドに当て、頭蓋骨の根元を広げ、首の折れ目を頭を中心に向け均等に引っ張る。
    ・毛布などを頭の下に置く場合
     
  2. 足を一本ずつゆっくり伸ばし、目を閉じる。
    ・両手をそれぞれのサイドに開き、まっすぐに伸ばした後、手のひらを天井に向けひっくり返す。
    ・目は軽く閉じ、目の奥の方を見つめる。
    ・体と腕の間は45度から60度くらいの角度。手、肘を曲げない。
    ・肩外側のサイドが地面方向に倒れるよう、鎖骨を広げる。
    ・両耳は肩から引き離し、均等な位置に置く。
    ・手のひら、すべての手の指をリラックスさせる。
    ・頭が地面と平行になるよう注意する。
    ・毛布は折り目が肩の外側につき、首の付け根が支えられる位置に置く。
上記が難しい方
  • 手の甲下にブロックを置くなどし、手の指をリラックする。この場合、ブロックの位置は手がまっすぐになるところに置く。
  • 肩が前に丸まってしまう場合、両肩外側の上に重しをのせ、肩を地面の方向へ下げる。
  • お腹が緊張する場合、お腹の上にブロックや重しをのせる。
  1. かかとを左右均等に開き、足の指を優しく外側へ落とすようにして倒す。それに伴い膝頭、太ももも外側に倒れる。
  • 太ももの付け根、お腹を緩め、完全にリラックスさせる。
  • 足、膝の外側は地面に着くか着かないかくらいの位置まで倒す。
  • 両足は通常骨盤の幅またはそれ以下で。両足を開きすぎない。
  1. 体全体を完全に脱力し、リラックスする。
    ・頭から足に向けて、体の各部位に一つ一つ意識を動かしていく。
    ・コントロールした呼吸から、自然な呼吸に変えていき、呼吸は軽くリズミカルになっていく。
    ・すべての感覚器官(耳、目、鼻、額、舌)を休める。
    ・眠らない。
    ・脳を後頭部後方へ緩め、頭の中を受動的な状態にする。あれこれ考えない。
上記が難しい方
  • 自分の意識を完全に呼吸に向ける。
  • 口を開け閉めし、顎の周りの筋肉をリラックスさせる。
  • 唾を飲み込んで、唇は押し付けず少し開いた状態にしておく。
  • 目の上に柔らかい布(理想は包帯など)をのせ、脳を休める。
  • 痛み、考えなどがあってもそれにとらわれず、そこから距離のある遠くから見つめるようにする。それに対し、判断をせず、それをそのものとして受け止め、頭はそれに縛られない。 
<戻り方>
ゆっくりと両足をつけ、膝を曲げ、体を右側に倒す。一呼吸置いた後、左手で地面を押し体を起こしてくる。

横になるだけじゃないの?細かすぎる、などと思われるかもしれませんが、他のアーサナに比べ難しい動きがなく、単独でできるポーズです。ポイントに沿って是非一度お試しください。これまでにない瞑想感が期待できます。また不眠、頭痛やストレスでお悩みの方、それらが改善されるかもしれません(就寝前や帰宅時、また週末のお時間がある時などがオススメ)。

''Relaxation begins from the outer layer of the body and penetrates the deep layer of our existence.''(BKS Iyengar, YOGA, Dorling Kindersley, 2001)
(やすらぎは身体の表層から始まり、やがて自身の存在の奥深くへと染み込んでいく)
(Nivedita Joshi, GURUJI UWACH : New Delhi, Rupa, 2004,日本語訳柳生直子『アイアンガー108の言葉』、白揚社(2013))

全身脱力し、全てを手放して「無空」の数分間。その後にはきっとより良いあなたが生まれ、より素晴らしい世界が待っていることでしょう。

OMシャンティ
 

COMMENTコメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してPARIS&TOI|フランス、パリを中心とした情報サイトパリエトワは一切の責任を負いません