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パリヨガサークル

Yoga columnヨガコラム

2020.04.20

特別篇2 ヨガで免疫力ー逆転のアーサナ

ナマスカーラ!

特別篇1では、フランスアイアンガーヨガ協会も推奨する免疫力を高めるヨガシークエンス(B.K.S.Iyengar導師がデザイン)をご紹介し、そのうち家でも簡単にできるアーサナ(ポーズ)を取り上げました。

特別篇2では、そのうち最も効果が高いと言われる逆転のアーサナにフォーカスします。



逆転といえば、難易度が高くとても私にできるはずもないと思われるかも知れません。パリヨガサークルは、逆転のアーサナに不安を覚える方にも安心して家で試していただけるよう、特に初心者用のものを選び、バリエーションもつけてご紹介いたします。

特別篇1免疫力を高めるシークエンスにある10つのポーズ中、体が地面に横たわっているポーズ以外の共通点は何か?そしてそれが免疫力を高める一つのキーだと申し上げました。その答えがまさに逆転のアーサナです。
(最後の10番、屍のポーズ、以外はいずれも頭が(お腹に比べ地面の方向へ)下がっている)

前回ヴィパリータ・カラニーのご紹介の際、それが広義には逆転のアーサナを意味すると申し上げました。しかし逆転のアーサナがどんなものか、きちんとした定義には触れませんでした。
逆転のアーサナInversion=逆立ちというわけではありません。Inversionは頭がおへそよりも下に来るアーサナのことですが、その中でも足が上方に向いたものが特に代表格としてよく取り上げられます(倒立、肩立など)。

Inversionの重要性は16世紀ハタ・ヨーガの根本教典『ハタヨガプラディピカー』ですでに言われていました。
第3章79節
「へそが上にあり、口蓋が下に来る姿勢をとるとき、日は上にあり、月は下にくる。このヴィパリータ(逆転)という名のカラニー(しぐさ)はグルの口づたえで学ばねばならない」
第3章82節
「そして、日ごとに(補足:ヴィパリータ・カラニーの時間を)一セツナずつ増していく。そうしたならば六ヶ月の後には、シワと白髪はなくなる。毎日一ヤーマ(三時間)もこれを行うならば死を克服するであろう」
佐保田鶴治『ヨーガ根本教典』平河出版社、1983年

そしてアイアンガーヨガの創始者B.K.S.Iyengar導師もその重要性を以下の通り、強調しています。
''Inversions are not only good but also effective as the venous blood is made to flow back without strain for recharge. Standing on the head is not all yoga. It is a leaf of the tree of āsana. Āsana are like the countless leaves of a tree where each leaf does its function to preserve the branches, the trunk and the root. The brain draws one quarter of arterial blood for oxygenation. Inverted āsana does this, with less strain and without stress on the arteries. Freshness in thinking is the attractive effect of the inversions''.
BKS Iyengar “ ASTADALA YOGAMALA ’’, New Delhi, Allied Publishers Pvt. Limited, 2012, p.115
(日訳補足:逆転のアーサナでは、静脈血が滞ることなく戻り補充されるため、良いだけでなく、効果的だ。倒立するのがヨガの全てではない。それはアーサナという名の木につく一枚の葉に過ぎない。アーサナは数え切れない枚数の葉を持つ木、そしてそこではそれぞれの葉が自らの機能を果たし、枝、幹や根を維持するのである。頭脳は酸素化のために動脈血の四分の一を汲み上げる。逆転のアーサナはこれを動脈に緊張と負担をより少なく実現する。みずみずしい考えは逆転のアーサナが与える魅力だろう)。

ヨーガの伝統によると、体内には72000本とも350000本とも言われるナーディというプラーナ(気、エネルギー)の経路があります。その中でも特に重要なのは3種類で、(1)イダー、(2)ピンガラー、(3)スシュムナーです。(1)は体性感覚の内の、温度覚、痛覚や粗大な触圧覚を伝える外側脊椎視床路、左の鼻孔の流れで、陰、女性原理、月の性質を持ちます。(2)は右の鼻孔の流れで、詳細な触圧覚や深部感覚を伝える経路、陽、男性原理、太陽の性質を持ちます。体性神経である運動(運動神経)と感覚(感覚神経)など動物的機能に関するこの2本の神経は、脊椎にある(3)を中心に上行しながら左右に交差し、全身にエネルギーを流します。一方、体の部位において、頭は月の性質、へそは太陽の性質を持ち、Inversionで体の上下が逆に、つまり月(頭)は下になることでより活発になり、陰のエネルギーが活発化します。その結果、脳は静かな状態になり、特別篇1で述べた通り、交感神経と副交換神経がより良いバランス→自律神経のよりよい機能→白血球の機能促進で免疫力が向上するのです。

1992年アイアンガー導師もInversionが交感神経と副交感神経、末梢神経の働きをより効率的にし、中枢神経はうまく機能していない体の部分に対しより知的に判断をしながらその問題を改善することも述べました。

Inversionの典型的効果はその姿勢から言わずもがな、内臓機能が正常化することです。体の位置が逆転することで普段重力に引っ張られて下がりがちな内臓を正常な位置に戻すことができるからです。また骨盤への圧迫もなくなり、冷えが解消、新鮮な血液や酸素がよりよく脳へ行き届く、リンパ液がよりよく循環する(これらも免疫力向上につながる理由)ことでむくみを軽減します。

しかしInversionはステップを経て、正確に行わなかった場合、大変な怪我にもつながりかねないので細やかな注意が必要です。次回は初心者向けの逆転のアーサナを安全に行う練習をご紹介いたします。どうぞご期待下さい。

''Inversions are not the starting point in yoga. One has to learn to stand on the legs before trying to stand on the head. So one is taught to do Tadāsana and many other āsana before Sirsasana. The body has to get used to inversions, otherwise fear complexes set in and a beginner says good-bye to practice''.
(BKS Iyengar “ ASTADALA YOGAMALA ’’, New Delhi, Allied Publishers Pvt. Limited, 2012, p.115)
(日訳補足:逆転のアーサナはヨガの出発点ではない。頭で立とうとする以前に、脚で立つことを学ばねばならない。だからこそ、シルシャーサナ(倒立)に先駆け、ターダアーサナや他の多くのアーサナが教えられるべきだ。体が逆転のアーサナに慣れていないと恐れが生じ、初心者はヨガはもう練習しない、ヨガにはさよなら、と言ってしまうだろう。)

https://www.facebook.com/iyengar.yoga.australia/videos/bks-iyengar-sirsasana-practice-1975-rimyi-pune-india/399466987439933/?__so__=permalink&__rv__=related_videos


''It is never a question of what I am doing, but what am I not doing?'' B.K.S. Iyengar
(日訳補足;いつだって大切なことは自分が何を行っているかではなく、自分が行っていないことが何か、そのことだ)。
 

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