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TOPICSトピックス

2017.01.12

共和党予備選の結果と左派予備選の見通し

前回 フランスの大統領システムと予備選について解説しました。
今回は予備選を終えた共和党から見える有権者の様子と、左派の予備選の見通しを掲載します。
こちらも、前回と同じく、日本とフランスの文化文学に精通するジュリアン フォーリ(Julien FAURY) 氏からの寄稿です。

皆様はどちらの政党、大統領候補を応援しますか?完全な匿名になりますので、ご意見をお寄せください。
 

共和党の予備選を終えて

2016年11月20日、27日の予備選を終え、驚くべきなのは、いずれも世論調査がこぞって勝者と予想していた者が屈辱的なほどの敗北を喫した事に尽きる。特に、LRの党首で2007~2012年まで大統領だったNicolas SARKOZY(ニコラ・サルコジ)氏とAlain JUPPÉ(アラン・ジュペ)元首相(1995~1997)が首位に立つと言われていたが、François FILLON(フランソワ・フィヨン)元首相(2007~2012)が圧倒的なスコアで(66.5%)勝利を収めた。FILLON氏は、どの世論調査でも「10%以上の投票しか得られないだろう」と見込まれていたにもかかわらず、である。

今回の投票は共和党の会員だけでなく、“開かれた予備選”だったため、左派の人達も少なからずわざわざ足を運んでサルコジー氏が進出しないように、戦略的にフィヨンに一票を入れたと言われてもいるが、全体的に投票者は右派らしい方針「経済などの面においてリベラルな考え方で会社の税金などの負担を減少させ、雇用の流動性を推進」「公務員の数を減らして国家の予算を大幅に押さえる」などに賛成している傾向が確認できたといえる。


 

左派の予備選と無所属の出馬

次に行われる、社会党を中心とした左派の予備選(primaires de la gauche)にメディアや国民の目が向けられているが、先日(12月1日)François HOLLANDE(フランソワ・オランド)大統領が今回の選挙に出馬しない事を発表し、今まで控えていたManuel VALLS(マニュエル・ヴァルス)首相を筆頭に、挑戦者が続々と出てくる見込みである。実際、オランド大統領の表明から少し間をおいてヴァルス首相は去る12月6日(火)に出馬する事を表明するとともに、自ら首相を辞任した。オランド大統領の任期が残りわずか五カ月のところで、無意味だとも言われている最後の内閣の構造は、新たな改革を生み出す事は到底期待できず、選挙までただ国を統治するだけのものだと、政治評論家がみんな厳しい評価をしている。
 
左派の中でも極左の思想と共通点を多くもっているArnaud MONTEBOURG(アルノ・モントブール)元経済・生産再建・デジタル大臣やBenoît HAMON(ブヌワ・アモン)元文部大臣は㋇中旬ごろからその出馬を発表しており、社会党で逆に一番右派に近いと評されているヴァルス首相との対立がこれからの左派予備選の見所になるだろう。現在(12月9日)既に9人もの候補者が出ているその予備選は右派のそれと同様、社会党の方針を見直すきっかけとなり、つまりヴァルス内閣が今まで実施してきた社会民主主義的な政治か、モントブール氏などが主張する対資本主義的な政治か、左派の投票者はどの方針を選ぶかは来年の大統領選挙の大きな鍵になりそうだ。
 
また、予備選を経ずに直接フランス国民の前に出ると宣言した候補者の中に、Modem(Mouvement Démocrate, 民主運動)のFrançois BAYROU(フランソワ・バイルー)氏や、社会党から独立して自分の党を設立した若手(39歳)の野心家Emmanuel MACRON(エマニュエル・マクロン)元経済産業大臣、そして極右FN(Front National,国民戦線)のMarine LE PEN(マリンヌ・ルペン)氏や、極左PG (Parti de Gauche, 左翼党)の創立者Jean-Luc MÉLANCHON(ジャンルック・メランション)氏の動向も注目される。
 
なお、2017年は大統領選挙に続き、6月11日(日)と18日(日)には、国民議会の議員を選出する総選挙(élections législatives)が、更に9月24日(日)元老院選挙(élections sénatoriales)も行われ、フランス共和国における、これから五年間の政治的な勢力が決まる決定的な年になると言えよう。
 
 

CONTRIBUTORこの記事の投稿者

Julien:エトワライター

Julien:エトワライター

日本人以上の日本語を操る日本文学博士。日本とフランスの文化文学に精通し、教鞭をとる傍ら、通訳、翻訳、同時通訳なども行う。

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