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2017.01.12

フランスの選挙制度と予備選とは

2017年、5年ぶりに大統領選挙が行われます。
現在は社会党のフランソワ・オランド (François Hollande)大統領。街角のカフェではフランス人たちは「あーでもない、こーでもない」と大盛り上がり。残 残念ながらフランス国籍がない場合、フランスでの選挙権はありませんが、 フランス人と一緒に選挙イヤーを語り楽しむために、フランスの大統領選挙制度について、日本とフランスの文化文学に精通するジュリアン フォーリ(Julien FAURY) 氏から寄稿いただきました。

皆様はどちらの政党、大統領候補を応援しますか?
完全な匿名になりますので、ご意見をお寄せください。
 

フランスの大統領選挙は、現在は5年毎に行われており、(2002年までは大統領任期は7年)、投票できるのは、選挙前年の12月31日までに選挙人名簿に登録をしたフランス国籍を持っている成人(18歳以上)と規定されている。投票は直接選挙であり、二回投票制選挙になっている。
今回の選挙は、第一次投票は2017年4月23日(日)で、第二次投票は5月7日(日)と定められている。
 
1958年から発足した第5共和国では、大統領は外交中心の象徴的な存在だけでなく、国内政策の方針を決め、それを実行すべく首相を任命し、立法権を握っている国民会議(assemblée nationale)を解散するなど、権限が非常に強くなっている。そのため、その五年に一回しかない選挙は重大な意味を持っており、普段政治にあまり興味のない人でも感心を持たずにはいられない。
例えば、伝統的に人気を集めるのは、テレビで放送される候補者間の討論であり、その視聴率はサッカーのワールドカップ決勝戦並みの情熱ぶり。特に、第一次投票と第二次投票の間に、候補が二人に絞られ、その対決を楽しみに待っている人も多い。
 

予備選(primaires)の変化

今回の大統領選挙では、2011年に史上初めて開かれた予備選(primaires ouvertes)を実施した左派にならい、EELV (Europe Écologie Les Verts, 緑の党)や右派、中道政党も候補者を決定する予備選(primaires ouvertes de la droite et du centre)を開かれた形で実施した。前回の2012年大統領選挙までは、それぞれの政党内で幹部を集めた会議で決める仕組みか、党員だけの投票から代表を選ぶ仕組みのどれかで、外部の一般人はまったく干渉できず、不透明な制度であった。しかし、2011年にParti Socialiste(PS、社会党)が初めて“primaires citoyennes de la gauche(国民的な左派候補予備選)”といって、選挙権有権者の誰もが投票できる公認候補選出を実施し、“左派の選挙に右派の人でも一票を入れる事が可能“という制度を取り入れ、メディアに革新的だと評価された。この制度は、まさに大統領選挙の前段階としての予備選に新しい性格を持たせることができ、その結果、政党の「綱領(programme)」よりそれを主張する「人(人格、personnalité)」を選ぶと言われているフランス大統領選挙は、その傾向が更に強くなってきている。
 

共和党の予備選を終えて

2016年11月20日、27日と2回の予備選を終え、驚くべきなのは、いずれも世論調査がこぞって勝者と予想していた者が屈辱的なほどの敗北を喫した事に尽きる。特に、LRの党首で2007~2012年まで大統領だったNicolas SARKOZY(ニコラ・サルコジ)氏とAlain JUPPÉ(アラン・ジュペ)元首相(1995~1997)が首位に立つと言われていたが、François FILLON(フランソワ・フィヨン)元首相(2007~2012)が圧倒的なスコアで(66.5%)勝利を収めた。どの世論調査でも10%以上の投票しか得られないと見込まれていたにもかかわらず、である。
今回の投票は共和党の会員だけでなく、誰でも参加できる形式(primaire ouverte)だったため、左派の人達も少なからずわざわざ足を運んでサルコジー氏が進出しないように、戦略的にフィヨンに一票を入れたと言われてもいるが、全体的に投票者は右派らしい方針(経済などの面においてリベラルな考え方で会社の税金などの負担を減少させ、雇用の流動性を推進、公務員の数を減らし、国家の予算を大幅に押さえるなどの政策が特徴)に賛成している傾向が確認できたといえる。
 

左派の予備選と直接出馬の候補者

次に行われる、社会党を中心とした左派の予備選(primaires de la gauche)にメディアや国民の目が向けられているが、先日(12月1日)François HOLLANDE(フランソワ・オランド)大統領が今回の選挙に出馬しない事を発表し、今まで控えていたManuel VALLS(マニュエル・ヴァルス)首相を筆頭に、挑戦者が続々と出てくる見込みである。社会党の中で一番右派に近いと評されているヴァルス首相か、逆に共産党の思想と共通点を多くもっている野心家のArnaud MONTEBOURG(アルノ・モントブール)氏、左派の投票者はどの方針を選ぶかは、来年の大統領選挙の大きな鍵になるだろう。
また、予備選を経ずに直接フランス国民の前に出ると宣言した候補者の中に、Modem(Mouvement Démocrate, 民主運動)のFrançois BAYROU(フランソワ・バイルー)氏や、社会党から独立して自分の党を設立した若手(39歳)のEmmanuel MACRON(エマニュエル・マクロン)元経済産業大臣、そして極右FN(Front National,国民戦線)のMarine LE PEN(マリンヌ・ルペン)氏や、極左PG (Parti de Gauche, 左翼党)の創立者Jean-Luc MÉLANCHON(ジャンルック・メランション)氏の動向も注目される。
 
なお、2017年は大統領選挙に続き、6月11日(日)と18日(日)には、国民議会の議員を選出する総選挙(élections législatives)が、更に9月24日(日)元老院選挙(élections sénatoriales)も行われ、フランス共和国における、これから五年間の政治的な勢力が決まる決定的な年になると言えよう。
 

各政党の予備選(Primaires)の日程

Europe Écologie Les Verts(EELV, 緑の党)

選挙日 通信投票(本土では郵送、フランス領からはネット上)で、第一次投票の結果発表は10月19日、第二次投票は11月6日
投票者の条件 投票権を持つ者、または16~18歳の未成年やフランス在住の外国人
通信投票につき、10月1日までにインターネットで登録した者に限定した
投票の料金
(選挙の運営のため)
5€ (選挙の運営のため)
出馬した人数 4人
選出された公認候補 Yannick JADOT(ヤニック・ジャド)欧州議会議員
 

Les Républicains (LR, 共和党)

選挙日 第一次投票:11月20日(日)、第二次投票:11月27日(日)
投票者の条件 選挙人名簿に登録している成年や、来年の大統領選挙までに18歳(成年)を迎える者
投票の料金
(選挙の運営のため)
2€(x2回投票)
出馬した人数 7人
選出された公認候補 François FILLON(フランスワ・フィヨン)元首相
 

Parti Socialiste (PS、社会党)

選挙日

第一次投票:2017年1月22日(日) 第二次投票:1月29日(日)

投票者の条件 選挙人名簿に登録している成年や、来年の大統領選挙までに18歳(成年)を迎える者、または社会党の会員全員(外国人も含め)
投票の料金
(選挙の運営のため)
1€(x2回投票)
出馬した人数 7人(12月1日現在)、出馬の締切は12月15日
選出された公認候補 未定

CONTRIBUTORこの記事の投稿者

Julien:エトワライター

Julien:エトワライター

日本人以上の日本語を操る日本文学博士。日本とフランスの文化文学に精通し、教鞭をとる傍ら、通訳、翻訳、同時通訳なども行う。

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