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2016.09.15

TRAVAILLEUR INDEPENDENT(独立自営業者)

プロフェッション・リベラル(「自由職業者」と訳しておきます)は、何らかの職種で仕事をして収入を得る職業方式の一つですが、私たち日本人には分かりにくいところがあります。このあたりの事情、仕組みを探ってみましょう。

1. 就業の形としてもっとも一般的なのは会社などに勤務して給与収入を得る方式です。フランスではSALARIE( サラリエ)、日本ではサラリーマンあるいは会社員です。

2. 会社などに勤務するSALARIE( サラリエ) ではなく、個人の資格で仕事をする、これをTRAVAILLEUR INDEPENDENT( 独立自営業者) といいます。

3. TRAVAILLEUR INDEPENDENT( 独立自営業者) は3種に大別されます。
   ① . COMMERCANT-INDUSTRIE( 商工業者)
   ② . ARTISAN( 手工業・手工芸者)
   ③ . PROFESSION LIBERALE( 自由職業者)
プロフェッション・リベラル(PROFESSION LIBERALE)はここで登場します。
つまり、TRAVAILLEUR INDEPENDENT( 独立自営業者) 3種の一つ、という位置付けです。

4. このように分類されるのは、社会保障(SECURITE SOCIALE)の所属先の違いによるものです。健康(医療・出産)保険、主年金・補助年金、労災、病気・怪我などで仕事を休んだため収入ダウンになった場合の休業手当、、、、などの社会保障機構(公庫)がそれぞれ違うためです。それぞれの機構(公庫)に社会保障費( 保険料) を納め、そこから払い戻しがある、あるいは手当が支給される、ということです。

5. こういう仕組みですから、当然、職種によって①、②、③のいずれかの所属が決まります。
いくつか例を挙げてみましょう。
   例1:フリーの日本語教師は、教育指導者(ENSEIGNANT/PROFESSEUR)という職種で
③ PROFESSION  LIBERALE( 自由職業者) に属します。翻訳・通訳業(TRADUCTEURINTERPRETE)も同じく③です。
   例2:服飾モード関係のSTYLISTE-MODELISTE は③、縫製までする場合は②になります。
デザインから縫製まで、さらにBOUTIQUE(小売店舗)を持ち販売までする場合は①が適当とされましょう。
   例3:「帽子製造業」は②ですが、「私は頭にかぶる帽子ではなく、帽子を素材にした立体造形作家です」は美術家になり③です。

 

PROFESSION LIBERALE( 自由職業者) に分類される主要な職種は、開業医師、開業弁護士、建築家、各種のコンサルタント、各種ジャンルのレッスン教師、美術系アーティストなどで、総じて技術/ 技能・専門知識・経験・感性/ センスなどに関わる領域の職種が集まっています。(①、②、③のそれぞれの機構(公庫)が職種リストを作成しています。
PROFESSIONLIBERALE( 自由職業者) の職種リストは当会相談室にもあります)。

6. 以上は、フランスの職業・社会保障制度上の事情、仕組みですが、私たち外国人に必要な「滞在許可」から見るとこうなります。
   a. COMMERCANT-INDUSTRIE( 商工業者) と② ARTISAN( 手工業・手工芸者) は、各県の県庁に審査課が設置されていて、厳密な審査があります。許可がおりれば、社会保障上の加入手続きをし、滞在許可証上の滞在身分がCOMMERCANT、あるいはARTISAN と記載されます。
   b. PROFESSION LIBERALE( 自由職業者) については、各県庁で対応が異なり、「当県庁では取り扱っていない」とされることが多いのが実情です。
また、外国人の多いパリ、パリ周辺のいくつかの県庁では、①、②のような厳密な審査はなく、緩やかなチェックだけで許可がおりていましたが、最近は厳しくなって却下されるケースも目立っています。
許可された場合は滞在許可証上の滞在身分がPROFESSION LIBERALE と記載されます。副題として、例えばピアノ教師であれば Professeur de piano あるいはProfesseur de musique が付け加えられることもあります。もちろん、PROFESSIONLIBERALE( 自由職業者) 向けの社会保障機構( 公庫) に登録し社会保障費( 保険料)を納めることになります。
   c. PROFESSION LIBERALE は社会保障費が高くつく、とされていますが 実際はそうでもありません。SALARIE の場合は、社会保障費各種が給与からの自動天引きで、給与明細(FICHE DE PAYE/BULLETIN DE SALAIRES) を眺めて「いろいろ引かれているなあー」の漫然とした印象で済みますが、PROFESSION  LIBERALE は所属の公庫に自腹を切って支払わねばなりません。SALARIE と比べてやや割高ですが、さほどに差があるわけではありません。「自動天引き」と「自腹」の心理的な差に起因していると見ます。

日本人会滞在相談室  岡本宏嗣

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エトワ編集部

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