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2020.01.23

A350 日本の空に新たな快適を。



2019年日本航空に初めて導入されたエアバスA350型機。フランス・トゥールーズのエアバス本社ではJALからエンジニアの皆さんが駐在され日々奮闘しています。今回はその中でご活躍中の原口靖章さんにお話しをうかがいました。


 
写真:翼の内部(エンジン上)をチェックする原口さん

── 原口さんの現在のお仕事の内容を教えていただけますでしょうか。

原口さん:2019年6月に日本航空が新たに導入したA350の製造元であるエアバス社トゥールーズ工場に於いて、当社の領収検査員として製造中の機体に対する検査を実施し、当社の求める品質を十分に満足した航空機に製造されている事を確認することが主な業務です。

A350の製造は欧州各地(フランス、ドイツ、スペイン、イギリス)で大きく3分割にした胴体、翼、水平尾翼、垂直尾翼の製造を行い、その後エアバス専用貨物機(ベルーガ)にてトゥールーズに輸送し最終組立てを行います。その為トゥールーズのみならず欧州各地へ出向いて検査を行っています。 また、機体完成後には東京からの整備士、エンジニア、および運航乗務員の派遣検査員含めて地上検査と飛行検査を実施、問題のないことを最終的に確認しエアバス社から機体の受領手続きを行います。 そして、日本へ機体を空輸し、私達の仕事が一旦完了します。


── 現在A350は羽田⇔福岡、札幌など国内線として活躍しておりますが、今までの機材と異なり優れた点を教えてください。

原口さん:一番に実感出来るのはキャビンの静けさです。A350専用に作られたロールスロイス社製のエンジンは機体との相性も良く低騒音です。これまでの機体と比べて特に高音域の騒音が少なく耳障りに感じません。 最新式のエンジンですから、現在国内で運航している従来機と比べ燃費が約25%削減されます。またCO2も同じく削減されて、より環境負荷の低い航空機となっています。

また機内の与圧は、より地上に近い気圧設定となっている為に、体のむくみや耳への不快感が少ないです。これは機内の気圧高度が従来機の約2400m(富士山7合目)からA350 は約1800m(富士山5合目)まで下げられているからです。これはA350の胴体がカーボン素材によって造られている事から、従来機のアルミニウムより機体の剛性が高くなり、その為に機体内にエアコンシステムより多くの空気を送り事が可能になり、与圧を上げる事が可能になったことによるものです。 客室内の窓が大きくできたのも、機体剛性が高くなった事によるものです。

── 機内のシートやファシリティについても特徴を教えてください。

原口さん:JALとして国内線に初めて全席に個人モニターが備えられています。映画やアニメ、一般雑誌など様々なコンテンツが用意されており、中でも映画はプログラム停止時に8桁コードが表示されます。復路などでこのコードを入力する事で映画の続きをお楽しみいただけます。さらにWifiサービスにおいては、これまでは飛行中のみの提供でしたが、A350 からは地上走行から到着時までと使用できる時間も長くなっています。またA350 では垂直尾翼の上部に取り付けられたカメラから機体全体を映す事ができ、今までにない映像を楽しめます。

── エアバス社のスタッフの皆さんとの関わりについて教えください。

原口さん:どの工場内でも働く方達の雰囲気がとてもいい事が印象的です。特に働く皆さんが笑顔で挨拶をしている風景を見ていると、良い職場風土で仕事をされていると感じます。現場でこちらから何かを依頼する場合なども紳士的に対応し、さらに問題点を改善できる様に、我々の検査にエアバス品質担当が立ち会われる事も素晴らしいと感じます。

一方で私達JALはエアバス機導入が初めてであり、エアバスがどのような体制で、どのように飛行機を製造し品質を担保しているのかを視察やミーティングを重ねる中で理解してきました。その中では、今まで他のエアライン顧客が要求していない事などを調整する際には苦労する場面もありますが、JALとしての必要性や背景の説明を行う事で、お互いを理解して進んでいます。

── 日本航空初のA350導入に関わっていらっしゃるご感想をお願いします。

原口さん:わたくし自身がA350初期導入でフランスに来るとは思ってもいなく、人事異動の話を頂いた時は期待よりも不安が大きかったのを覚えています。こちらに来てからは1号機の組み立ても順調に進む中、エアバスと信頼関係を構築しながら検査を行ってきました。製造の初期工程は飛行機がまだ輪切りの状態です。飛行機好きな人であれば誰もが見てみたい現場だと思います。その貴重な場所でこのような仕事が出来て大変光栄に感じています。エアバスによる1号機初回のテストフライトを同僚と空港へ見学に行きました。先日までハンガーで組立てられていた機体が、初めて大空へ飛び立った時の感動と、問題なく空港へ戻ってきて皆で安堵した事を思い出します。新造機の情報についてはリアルタイムに情報発信が出来ない時もありますが、この喜びをいち早く世の中に伝えたい思いでした。

製造中のJAL6号機ともに。

── 休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

原口さん:ピレネー方面へよく出向いています。趣味の釣りやドライブ、時には出張でこちらに来ている会社の仲間達とハイキングなど、自然を満喫しています。また最近はジムに行って体を動かしに行き、休日は外で過ごす事が多いです。その他、料理とは言えないですがマルシェで見つけた牛タンやハラミを裁いて焼肉など、たまに男料理をやっています。



── フランスは初のご駐在かと思いますがいかがですか?

原口さん:歴史的な建物や観光地めぐり、近所のマルシェで買い物など日本に無い文化に触れられて楽しいです。トゥールーズからは山や海も比較的近く、アウトドア好きな自分は大満足です。苦労する点はフランス語が話せないので、ちょっとした家のトラブルがあったりすると解決に時間が掛かる事です。また土曜日は駐車場の前が通行止めになる事があるので出掛ける際は注意しています。

── フランスで挑戦してみたいことはありますか?

原口さん:フランス語を話せるようになりたいです。フランスに住んでいますし、現地の方とのコミュニケーション、やはり検査の時にフランス語でエアバスの人と少しでも会話が出来たら嬉しいです。

── 他の駐在員の方がたについてですが現地フランス人の方との触れ合いはおありでしょうか。

原口さん:トゥールーズは全仏の中でも経済的にも恵まれた地であることや、歴史や文化に造詣の深い方も多いせいか、日本料理、華道、茶道、合気道、アニメなどの日本文化に関わる大小の催事が行われています。これらにご協力したい気持ちはあるのですが、言葉の問題があり簡単にはいきません。 それでもこちらの生活にもようやく慣れてきた駐在員の家族には地元でこの種の活動に参加し始め、現地の方との交流を少しずつではありますが始めた者もおります。



やはりフランスと言えばワインですが、トゥールーズ近郊にはMadiran や Gaillac などワインの産地も多く、ワイン好きの者はそれらを巡ったり、また市内には古くからのワインショップもあり、そこの店主にレクチャーを受けたり(幸か不幸か英語で説明して下さります)して知識を少しずつつけて楽しんでいます。
 


日本航空欧州技術品質保証部の皆さん (前列左から)小倉部長 権藤さん 近藤さん (後列左から)高宮さん 佐伯さん 原口さん
 


── ありがとうございました。



A350導入を通し新たな世界へ、新たな空へ挑戦し続ける日本航空。その裏にはフランス・トゥールーズで日々邁進するスタッフたちが存在しています。 最新鋭の技術、美しいデザイン、今までにない快適性全てを兼ね備えたA350がフランスと日本を結ぶ日は 近いのでしょうか、その日が今から待ち遠しいですね。


関連サイト

- 日本航空A350の魅力についてはこちらから
- 2020年2月23日(日)トゥールーズのAEROSCOPIA博物館にてJAL折り紙ヒコーキフランス予選会実施決定!詳細は後日  http://www.fr.jal.co.jp/frl/ja/ にて発表されます。
 

CONTRIBUTORこの記事の投稿者

日本航空(JAPAN AIRLINES)

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1951年設立。 TripAdvisor®トラベラーズチョイスTM 「世界の人気エアライン2018」 2年連続、日本第1位に選ばれました。
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