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2017.06.20

フランスでの出産の概要と体験記

医師と産院

滞在中に妊娠し現地で出産をすると決めた場合、フランス人と同じようなリズムで妊婦生活を送ることになります。妊娠の兆候があると思えば、なるべく早めに婦人科医に出向くか、各自で妊娠判定をして下さい。自己判定には、薬局で処方箋なしに妊娠判定薬 (test de grossesse) を購入できます。自己判定の結果が陽性と出ればすぐに婦人科で正確な妊娠判定を受け、フランスの妊娠証明書を手に入れ、前述した諸手続きを開始します。
フランスでは妊娠の時期によってかかる医師の種類が異なります。初めの妊娠判定を行うところ、その後の定期検診、最後の出産時に利用する施設は基本的には同じではありません。
かかる医院によって、検査も検診と同じ施設内でできる場合もありますが、血液検査やエコグラフのために更に別のラボに出向く場合もあります。妊娠判定から出産まで同じ所に通いたい場合は、はじめから産科専門病院(maternité, accouchement)を選びます。
 

時期によって担当医が変わるフランスのシステム

妊娠時期を簡単に三段階に分けると、第一段階の妊娠判定と定期検診は婦人科医(gynécologue)が担当します。 第二段階の妊娠中期になると、かかる医師が代わり、婦人科医から紹介を受けた産科医(obstétricien)の管轄となります。最終段階の出産は妊娠判明後あらかじめ申し込んでおいた産院または総合病院の産科医が担当します。
しかし、妊娠中は医者にかかるといっても、中期以降は特に母体の健康状態や胎児の成長に問題がなければ出産まで助産婦(sage-femme) に担当してもらうことになり、麻酔以外の出産介助も助産婦が行います。
 

無痛分娩が一般的

フランスでは硬膜外麻酔(péridurale) による無痛分娩(accouchement sans douleur)が一般的なため、出産が近くなると麻酔科医(anesthésiste) との面接でアレルギーチェック等を行います。日本式の自然分娩を希望する場合は、分娩予定病院で初診の段階から希望を伝えた方が良いでしょう。
臨月が近くなってくると、産院から入院用の持ち物リストが渡されますので、自分が入院中に使うものと合わせて準備しておきます。リストになくても、入院中の母親が病室外へ出る時にパジャマの上にはおるガウンなどは各自用意しておきます。
初産または初めてのフランスでの出産の場合、授乳用下着と子供用品は、どれを買ってよいか分からないことがあれば、お店のスタッフや薬屋さんに病院からもらったリストを見せながら相談にのってもらいましょう。

特にこだわりがなければ、産院で最初に使用する赤ちゃん用品はフランスのものを揃えると良いでしょう。新生児のお世話はフランス人の助産婦が指導するので、フランスのボディ式肌着やシャンプーなどの赤ちゃん用品を用意しておくと無難です。特に日本の着物式ベビー肌着やパジャマは、内側外側と数本の紐を結ぶため、助産婦から着せ方が難しいと言われることがあります。

出典:在仏日本人会 編集加筆:エトワ編集部
 

フランスで出産 私たちのフランス出産体験談

 
●Hôpital Pitié – Salpêtrière 13区
看護婦さんがフランス人とは思えないほどみんな優しくてテキパキしていた。おっぱいが張って痛くて泣きそうだった時、助産婦さんにアドバイスを求めたところ、一人一人言っていることが違って当惑。ある人は「マッサージするように」、ある人は「刺激するとよくないからそっとしておいて」、ある人は「絞ってお乳を出しなさい」という具合。専門用語がわからなかったが、自分で調べてそれがいい勉強になった(E・S)
 
●Hôpital Cochin  14区
年配の助産婦が多く安心感があった。夜、子どもを預かってくれなかったが、返って夜の授乳になれることができてよかったかも。母乳が出ず、精神的に追い詰められた時、母乳のスペシャリストの助産婦と話をしたら気持ちが落ち着き、退院間近に出るように(M・S)
 
●Hôpital St Félicité 15区
エッフェル塔が眺められる一人部屋で優雅な気分だった。検診と分娩は同じ先生で安心だし、看護婦さんが親切で仏語をゆっくり話してくれた。夜は子どもを預けてゆっくり休めた。最初の検診で出産までの検診予定を全く教えてもらえなかった。内診台にカーテンが無くて恥ずかしかった(A・S)
 
●Hôpital Neker 15区
病院が、というより無痛分娩がサイコー。麻酔医がケビン・コスナー似のいい男で日本に行ったこともあるらしく片言の日本語で話しかけてくれて気分もリラックスした。日本では婦人科から産科まで一人の医者が診てくれるのに、フランスでは取り上げてくれる医者に会ったのは出産の時。検査、定期検診、エコグラフィと何人もの先生に大事なところを見られた(笑)。妊娠時の注意点などが日本の雑誌に書いてあることと違ってとまどった。例えば、フランスではお寿司食べないように、とか水をよく飲むように(日本ではむくみ防止のため飲まない)とか。信頼できる情報がほしかった。(H・P)
 
●Clinique de la Muette 16区
親切な看護婦さんがいて、食事がおいしく、眺めがとてもよい。共同シャワーが汚かった。沐浴の仕方が看護婦さんによって違い、その人のやり方に従わないと怒られた。母親検診は5日間の入院期間にたった一度だけだった。日本語の話せる産婦人科医にお世話になったので特に言葉の問題もなかった。困ったのは妊婦用パンティストッキングが見つからなかったことくらい(S・H)
 
●Clinique de la Muette 16区
検温、食事、薬などの最低限の用事以外は放っておいてくれてありがたかった。もちろん呼べば来てくれるし、育児についての質問にも答えてくれた。病院と違って常駐の医者がいないと聞いた。出産時に問題があった時にどうなるのか心配。臨月と主治医のバカンスがまるまる1ヵ月重なった。本を見て母乳マッサージをしたが一向に効果なし。日本ではマッサージおばさんなる専門家がいると聞いたが(K・S)
 
●Hertford BritishHospital Levallois-Perret
ここで2度目の出産。公立病院なのでSS(セキュリテソシアル)で全てがまかなわれ、入院・出産費が無料の割には食事もおいしく、部屋も2度も二人部屋を一人で使えた。また病院地下にはプールがあり、助産婦の指導によるマタニティスイミング教室がある。診察は予約制であるにもかかわらず待たされることが多いので、必ず電話して遅れがないかを確認してから出かけるようにした。無痛分娩の麻酔は二回とも不完全だった。血液検査、エコーなどは病院内ではなくそれぞれ別の専門機関で行うので移動が大変。一人目の時は会陰切開後の処置が悪く、傷跡がずっと痛んだ。縫い方が悪い場合はもう一度気って縫い直した方がいいと後で聞いた。(A・H)
 
●Centre hopitalier intercommunal Jean-Rostand Sèvre
大きな病院で設備がいい。出産時に問題が発生してクリニックで対応できない場合ここに運ばれる妊婦がいると聞いた。助産婦の有能な人とそうじゃない人の差が激しい。点滴の際に4、5箇所も針をさして結局打てずに終わった人もいれば、一回で問題なく打てた人もいた。病院の検診に必要なSSのシールが出産ぎりぎりまで届かず、何度もSSの事務所に足を運んだ(Y・H)
 
●Hôpital St Germain en laye
全てにおいてごく普通。担当医がよく変わるがそれは当たり前と割り切るようになった。日本では臨月は毎週検診があるが、フランスはそれまでどおり月一回で心細い。逆に退院後に自宅に助産婦が訪問してくれるサービスがあって便利(M・K)
 
●Centre hospitalier de Courbevoie Neuilly-sur-seine
食事がおいしかったし、メニューを選べるのもうれしかった。母乳がよく出ないと何度も訴えたら「あなたのために何でもしてあげるわけにはいかないのよ」と言われた。出産後は思考能力が落ち、フランス語が出てこず、言いたいことが言えずにマタニティブルーになった。出産直後に家事手伝いサービスをしてくれる人がいると助かる。ベビーシッターのアノンスは多いけれど、こういうサービスをしてくれる人はなかなか見つけられない(M・S)
 

これから出産予定のfuture mamanへのメッセージ

♥“いい加減”に育てることをお勧めします。例えば粉ミルクと水の分量も毎回きっちり同じ割合にならなくていい。水の温度もまちまちで大丈夫。アバウトに育てた方が子どもも神経質にならなくていいと思う(K・S)
♥現在、二人目を妊娠中ですが、悪阻がひどいので日本の悪阻に関するHPを見ることが慰めに。長くてもつらくても9ヵ月後にかわいい赤ちゃんに会えると思ってお互いがんばりましょう(E・K)
♥育児書の読みすぎに注意。これが育児ノイローゼの原因になります。10人の母親がいれば10通りの育て方があって当然、“育児は適当に”が私のモットー。それから妊娠、育児中にお母さん友達を作っておしゃべりして発散できるといいですね(M・K)
♥フランスで出産経験のある人に会って話を聞きましょう(A・S)
♥子育て仲間、友達を作ってください。なるべく子どもの月齢が近いほうがお互いに参考になるし、励みにもなります。ご近所の人だと一緒に散歩したり、お互いの家に行き来したりできるのでもっといいでしょう。子育ての中の孤立は育児ノイローゼの元。子どものためにも積極的になって仲間を作りましょう。
♥どんな悪条件の下でも女性は子どもを産んできたのだ、と考えればフランスで出産・子育てができるのは恵まれていると思う。「案ずるより、生むが易し」でなんとかなるもの。考えすぎず、リラックスして子育てと自分磨きにがんばりましょう。(M・K)
 

私たちも無痛分娩で生みました!

◆日本で自然分娩した時より100倍ラクだった(H ・P)
◆無痛分娩の予定が出産日になんと麻酔医がスト。おかげで自然分娩になり、生みの苦しみをしっかり味わった(I・A)
◆日本では苦しみ(痛み)を乗り越えるからこそすばらしいという考え方だが、フランスでは痛みは無いに越したことはないと考えて産後も色々な痛み止めをくれて、母体はラク(T・A)
◆麻酔医が来るのが遅れて陣痛の最終段階近くまで味わった。でも、日本で自然分娩した時には精根尽き果てて30日間発熱していたのに、無痛は最後のいきみがないだけで12時間後には散歩をしていた。産後の肥立ちが全く違います(N・S)
◆無痛分娩の研究に力を入れている病院で出産したのですが、最初に背中に針を刺してもらって後は痛みを感じるようなら自分でスイッチを押して麻酔をたすしくみでした。超安産だったこともあり、陣痛を感じたのは10分くらいでした(E ・K)
◆麻酔はとてもよく効いたのだけれど、注射跡が産後しばらくすごく痛かった(Y・S)
◆アジア人には麻酔がちゃんと効かないケースがあると聞いていたが、一人目の出産の時は左半身に麻酔が効かず、打ち直し。二人目の出産は日曜にあたってしまい、助産婦さんが少ない上にその日は出産する人が多くて、麻酔が切れて人を呼んでもなかなか来てくれなくて不安だった。いずれにしても麻酔医との面接をしっかりしておいたほうがいいと思います。

出典: Bisou Japon(ビズ・ファミーユ)

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エトワ編集部

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Paris et toi(パリエトワ)編集部です。皆さまのお役に立つ記事を執筆します。

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