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columnアートコラム

2021.08.27

デュフィのパリ


Raoul Dufy et André Groult (1884 –1966) /  Panorama de Paris, 1933
Paris, mobilier national et manufactures des Gobelins, de Beauvais et de la Savonnerie © Adagp, Paris 2021


« Le Paris de Raoul Dufy », Musée de Montmartre

デュフィというと、ノルマンディーや南仏の風景が先ず思い出されるが、意外と知られていないパリをテーマにした作品を集めた回顧展がモンマルトル美術館で開催中だ。
鮮やかな色彩に軽妙なタッチで描きだされるラウル・デュフィ(1877-1953)の絵画は多くの人々を魅了するものがある。フォーヴィズムやキュビズムの影響を受けながら、独自の陽気な作風は高い人気を誇り、世界中で頻繁に展覧会が開かれるが、同テーマでは初めてであるという。

ル・アーヴルで生まれたデュフィは、各地滞在しながらも、生涯パリを制作拠点にした。まさに現在モンマルトル美術館になっているスペースの一部屋にアトリエを最初に持ったが、その後モンマルトルのゲルマ通りにアトリエ兼住居に住み、展覧会でも数点展示されている。アトリエの窓を通して外景の建物を大胆に取り込み、暖色と寒色のコントラストで、自分の創造空間を見事に表現した。


L’Atelier de l’impasse Guelma, 1935-1952 Paris, Musée National d'Art moderne, Centre Georges Pompidou, legs de Mme Raoul Dufy, 1963 © Adagp, Paris 2021

デュフィの一貫して生きる歓びをうたいあげ、幸福感あふれる雰囲気は、ルノワールと呼応するものがある。『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』はルノワールのオリジナルをデユフィならではの作風でコピーした水彩画で、陽気な集いの一こまをさらに明るく描いた。


Le Moulin de la Galette, 1939   Paris, Musée d’art Moderne de la ville de Paris, legs de Mme Berthe Reysz , 1975 © Adagp, Paris 2021

父はオルガン奏者で、音楽一家に生まれたデュフィの絵には音楽をモチーフにした作品も多く、中には音色と色彩の微妙な関係を感じさせるものがある。

パリ東郊マルヌ川沿いのボートハウスは木々の緑色で覆いつくされている。


Bords de Marne, les canotiers, vers 1925   Paris, Musée d’art Moderne de Paris, legs du Docteur Maurice Girardin, 1953 © Adagp, Paris 2021

デュフィは絵画だけでなく、本の挿絵から木版画、陶芸、壁画、テキスタイルなど幅広い分野で才能を開花した。
その契機になったのは、20世紀モードの刷新を行ったポール・ポワレとの1909年の出会いだ。以降多彩なコラボレーションを展開し、絵画だけでなく装飾家としての評価も確立していく。展覧会ではボーヴェのタピストリ工場でアンドレ・グルーと共作した、パリのモニュメントを背もたれに描き、豪華なバラの花をあしらえた肘掛け椅子とソファーがまとめて展示されている。エフェル塔を中心としたパリを上空からパノラマで描いたゴブラン織りのタピストリによる屏風(冒頭写真)も展示されている。


Raoul Dufy et André Groult (1884-1966) / Ensemble de mobilier avec les monuments de Paris (les Tuileries, la République, l’Opéra et les Champs-Élysées, l’Arc de triomphe), Bois de hêtre, tapisserie de Beauvais, 1933, Paris, Mobilier national et manufactures des Gobelins, de Beauvais et de la Savonnerie © Adagp, Paris 2021

 

Henri Cartier-Bresson. Bougival
La Fée Electricité, 1952-1953
Paris, musée national d’art moderne, Centre Georges Pompidou, don de la Société des Amis du musée national d'art moderne, 1957 © Adagp, Paris 2021

さらに、パリ市立美術館に常時展示されている有名な大壁画『電気の精』はデュフィの集大成ともいえる作品であるが、そのリトグラフにした作品も展示されている 
この秋、珠玉のように輝くデュフィの世界に浸ってみてはどうであろうか。

 
« Le Paris de Raoul Dufy »,
Musée de Montmartre


12 Rue Cortot, 75018 Paris
museedemontmartre.fr
2022年  1月 2日まで

執筆者


林 正和   Masakazu Hayashi
パリガイド通訳サービス主宰

大阪生まれ。パリ在住あしかけ36年、東京外国語大学卒業、マスコミ関係の仕事を経て パリ第三(ヌーヴェル・ソルボンヌ)大学で博士号取得。
現在美術館および観光ガイド、通訳、コーディネートを幅広く手がける。
フランス政府公認ガイドライセンス有

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