統一市町村議会選挙の第1回投票の投開票が3月15日に行われた。左翼政党LFI(不服従のフランス)と極右政党RNが共に票を伸ばした。一部の都市では、22日に行われる決選投票の行方が読みにくくなっている。
投票率は56%となり、新型コロナウイルス危機の渦中で行われた2020年の44.66%を上回ったものの、その前の2014年の63.55%と比べるとかなり低かった。ただし、大都市では全体的に2014年並みか、それを上回る投票率を達成。これは、大都市を中心とした左右両方のラジカル勢力の伸長とも関係があると考えられる。
極右RNは地盤のある南仏を中心に支持を伸ばしており、ボーケール(ガール県)とペルピニャン(ピレネー・オリアンタル県)ではRNの現職市長が決選投票を待たずに再選を果たした。RNのバルデラ党首は、決選投票に向けて右派糾合を目指す考えを示し、保守「共和党」に接近を呼びかけた。社会党のフォール第一書記は、市政を握る多くの都市で社会党候補がトップとなったことを強調。勢力を伸ばしたLFIと協力はしないと言明したが、個々の自治体では状況をみて接近する動きが出る可能性がある。マクロン大統領のルネサンス党は、決選投票に向けてRNとLFIの両方に対抗する姿勢を表明。共和党のルタイヨー党首は、「左翼とRNに対抗する」ために右派勢力の結集を呼びかけた。
パリでは、イダルゴ市長(社会党)の後継者として出馬したグレゴワール候補(社会党、環境派、共産党が公認)が37.98%の得票率を達成し、共和党と中道派の公認を得たダティ前文化相の25.46%に予想外の大きな差をつけた。LFIのシキルー候補(11.72%)とルネサンス・ホリゾンの後任を得たブルナゼル候補(11.34%)、極右「ルコンケット」のクナフォ候補(10.40%)も決選投票への進出権を得た。選挙協力の行方がどうなるかに左右されるが、ダティ文化相は不利な形勢で決選投票に臨むことになった。
マルセイユでは、左派の現職ペイヤン市長が36.70%の得票率でトップとなったが、極右RNのアリジオ候補が35.02%の得票率で肉薄した。以下、右派のバサル候補が12.41%、LFIのドロギュ候補が11.94%で続いた。ペイヤン市長はLFIとの共闘を拒否しており、決選投票では極右RNが勝利する可能性がある。
リヨンでは、環境派所属で左派も相乗りの現職ドゥセ市長が37.36%の得票率を達成。鳴り物入りで出馬した実業家のオーラス候補(36.78%)を僅差で上回り、トップの地位を得た。世論調査で優勢だったオーラス候補は伸びなかった。このほか、LFI候補が10.41%の得票率で進出権を得た。
ニースでは、極右RNと協力するシオティ下院議員が43.43%の得票率を達成。現職エストロジ市長(オリゾン、共和党)の30.92%を大きく上回った。決選投票でも優勢が予想される。
リールでは、現職デスランド市長(社会党)が26.26%の得票率でトップとなったが、LFIのアドゥシュ候補も23.36%の得票率で追い上げ、接戦模様となった。環境派、中道派、極右RNが決選投票への進出権を得た。左派対決の中で環境派の選択が勝敗を決める可能性がある。
ストラスブールでは、社会党所属のトロットマン元市長が25.93%の得票率でトップとなったが、2位のベテル候補(共和党・中道派)の24.23%と僅差になった。現職バルセギアン市長(環境派)は19.72%の得票率にとどまった。前回選挙では一部の都市で環境派の躍進が見られたが、ストラスブールの選挙結果は、全国における全般的な退潮を象徴するものでもある。左翼LFI候補も12.03%の得票率で進出権を得た。