政府は3月25日の閣議で、治安強化を目的とする法案を閣議決定した。この法案は、通称「Ripost」法案と呼ばれ、各種の措置が盛り込まれる。この秋に国会に提出される予定。
治安懸念は国民の重要な関心事となっており、政府はこの法案により、治安確保に強い姿勢で臨む姿勢をアピールする。花火を武器のように使う行為の取り締まりでは、販売制限を守らなかった店舗に対する処罰の強化(閉店命令)や不正な使用等に対する処罰の強化(禁固6ヵ月から3年、罰金7500ユーロ)を盛り込んだ。ロデオ行為の取り締まりでは罰金刑による処罰を導入。また、笑気ガスの麻薬としての使用については、そのような使用を犯罪と定めて処罰対象とすることを決めた。麻薬消費への罰金刑も、200ユーロから500ユーロへ引き上げる。
違法移民対策等を目的に、国境から40kmまでの地域において、職質や身体検査、車両検査等を随時、制限なしに行えるようにする。このほか、検察官が捜査で得た情報を情報機関に自動的に融通する仕組みを整える。パリ五輪の機会に暫定的に許可された監視カメラの情報のアルゴリズムによる処理は、今後とも、テロの脅威の疑いなどを理由に、重要イベント時や公共の場所や建物の周辺において使用することが認められる。犯罪捜査官の匿名性確保(調書に捜査官の氏名ではなく認識番号が記載される)の措置が導入される。経済・金融犯罪については、逮捕後の身柄拘束期間上限が48時間から72時間へ延長される。留置場における収容者の収容状況の撮影を保存する義務は解除される。収容者への暴行等が起こった場合に証拠となるデータが保存されなくなることについては、権利の後退だと批判する声もある。