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デンマーク総選挙:フレデリクセン首相の社民党が予想外の後退

デンマークで3月24日に総選挙の投開票が行われた。フレデリクセン首相の社民党が、第1党の地位は守ったものの、得票率は後退し、今後の政局の行方は不透明になった。
フレデリクセン首相は、トランプ米大統領のグリーンランド領有の主張に対して毅然とした態度で臨んだことが評価され、支持率が上昇していた。その機を逃さずに解散総選挙に打って出たが、首相の期待とは裏腹に、かえって政局の不安定化を招く結果に終わった。
社民党の得票率は21.85%となり、前回の2022年の選挙から5.7ポイントの低下を記録。議席数(全179議席、過半数は90議席)も12減の38議席に後退した。社民党としては過去最低の得票率となった。首相は、左派出身ながら移民政策の強化など、右寄りの政策を推進してきたという経緯があり、今回の選挙では、本来の有権者の取り込みを狙って、富裕者対象の課税の復活や年金支給額の引き上げ、小学校の14人学級の実現などの公約を掲げた。しかし、左派有権者の票はむしろ左翼政党SFに流れた。同党は11.59%の得票率(3.3ポイント増)を達成、議席数は5増の20議席で、初めて第2党となった。連立政権への参加については、福祉国家を保障し、エコロジー移行を推進することを条件につけるとして、安易な条件では協力はしないと説明している。
フレデリクセン首相の連立与党に加わっていた2党は、自由党(3.2ポイント減の10.14%、5減の18議席)とラスムセン外相が設立した穏健党(1.6ポイント減の7.68%、2減の14議席)のいずれも後退した。全体として、左派ブロックは84議席、右派ブロックは77議席で、いずれも過半数には届かなかった。極右政党のDF(デンマーク国民党)は、6.5ポイント増の得票率9.10%を達成し、議席数は11増の16議席と躍進。急進的な勢力の勢いが増すと、中間層が侵食され、連立交渉の落としどころを見つけるのはそれだけ難しくなる。連立交渉の行方が注目される。

KSM News and Research