最高裁は3月25日、妊娠の事実を通知した後に試用期間中の雇用契約を打ち切られた女性従業員の訴えを認めて、打ち切りを不当とする判決を下した(2026年3月25日の最高裁判決第24-14.788号)。同様の事案に関する最高裁判例となる。
この件では、無期契約(CDI)を結び、試用期間中だった女性従業員が、妊娠の事実を通知した後で契約を打ち切られた。この女性は、通知を境にして上司の態度が変わり、あれこれと批判を受けるようになったと主張。解雇は不当だとして労働審判所に訴えていた。この女性は、試用期間の延長(1回のみ更新可)が決まった直後に、双子を妊娠の旨の通知をした。使用者側は、試用期間中の契約打ち切りの理由を説明する義務はないと主張。パリ高裁も、控訴審において、女性側が差別を受けたことを立証していないことを理由に、その訴えを退けていた。
女性側の上告を受けて、最高裁は今回の判決を下した。労働法典の第L1225-1条及び第L1225-3条に照らして、妊娠の事実を通知された後に試用期間を使用者側の発議で終了し、契約を打ち切る場合には、その理由が妊娠とは無縁であることを使用者側が立証する義務を負うと判定。この場合、挙証責任を負うべきは、従業員側ではなく使用者側であると認定した。その上で、パリ高裁に対して、別の小法廷にて裁判をやり直すよう命じた。同種の事案では、これまで複数の高裁判決があり、判断にブレがあったが、最高裁は、欧州人権裁判所が、妊婦の従業員の保護を男女平等の原則に結び付けていることを指摘しつつ、女性が仕事のために妊娠・出産を諦めるような状況を抑止する目的もあり、今回の判決を下した。