仏書店大手ジベール・ジョゼフは4月27日、パリ経済活動裁判所(旧パリ商事裁判所)に会社更生法の適用を申請したことを発表した。同裁判所は4月28日に申請を承認し、6ヵ月間の猶予を認めた。同社は古書販売の強化で巻き返し狙う。
ジベール・ジョゼフは1886年に創設された老舗書店。全国に16店舗を展開し、主要都市(リヨン、マルセイユ、ベルサイユ、トゥールーズなど)で計500人の従業員を擁する。パリ学生街カルティエ・ラタンの象徴としてパリ市民や学生から長年愛されてきたが、近年は出版業界の危機やアマゾンなどとの競争激化により経営不振に陥っていた。特に2020年からはコロナ禍の影響などで伝統ある店舗の閉店も目立ち始め、2025年には売上高が8600万ユーロと、前年の9200万ユーロから減収を記録していた。
ジベール・ジョゼフは、会社更生法の適用に伴い、新品市場から古書市場へ軸足を移す方針を発表した。中古事業での売上を現在の3000万ユーロから6000万ユーロに倍増する目標を掲げた。新品市場では1982年から適用されている定価販売制度により書店のマージンが制限されており、固定費の高騰も手伝って収益性の確保が困難だと説明。2026年1-3月期に6%の縮小を記録した新品市場よりも、年間10%のペースで成長している古書市場で事業を拡大するという。その一環で昨年、提携相手の物流事業者をID Logisticsに変更。アフィリエイトモデルを展開して、中古事業の展開を目指す他の書店にもプラットフォームを利用できるように整備すると説明した。
ただし、アマゾンやVinted、Leboncoinなど各界のプラットフォームが多数、古書取引にも参入していることから、ジベール・ジョゼフの勝機を疑問視する声も聞かれる。古書に強いプラットフォームの独Momoxも、2025年にフランスで5700万ユーロ、欧州全体では4億ユーロ近くの売上高を達成している。