ビジネスソフト大手の独SAPは4月27日、フランスで主権クラウドサービスを開始すると発表した。仏タレス(防衛電子)とグーグル・クラウドの合弁であるS3ns(「センス」と読む)の協力を得て提供する。
SAPの各種ソリューションを主権クラウド上で利用することが可能になる。S3nsは去る12月に、仏当局機関Anssiから「SecNumCloud」と呼ばれる主権クラウドのラベル認定を得ている。グーグルが協力してはいるものの、欧州連合(EU)域内のサーバーに依拠し、データが域外などに持ち出される可能性を排除したサービスとなる。SecNumCloudラベルは、官公庁をはじめとして重要データの保護を必要とする組織や企業にその使用が推奨されている。
サービスは年内に開始される。タレスが初の顧客としてデータを委ねることが決まっている。SAPの責任者は、米国のクラウド法により、米当局が米国企業に対して、外国に所有のサーバーのデータの開示を要求する法的根拠を確保していることを挙げて、そのリスクが、昨今の地政学的混乱も手伝い、企業の間で広く意識されるようになっているとコメントした。その上で、EUの27ヵ国のそれぞれがこの件で法令を定めている現状には改善の余地があるとし、EUの全域で適用される制度を整えて、利用の振興を図るべきだと要望した。