年金と勤労所得の両取り規制の強化に経営者側が難色を示している。大手企業(ロレアル、バンシ、シュナイダーエレクトリック、トランスデブ、ブイグ、ソプラステリア)の人事担当者が連名で政府に見直しを求めるコメントを6月1日付で公表した。
年金と勤労所得の両取り規制強化については、予算法に依拠して2027年年頭から施行する方向で準備が進められている。政府は一連の節減の枠内でこの措置を準備。詳細はまだ固まっていないが、年間所得の上限を引き下げることが計画されている。
両取り規制は、定年年齢(現在は62歳と9ヵ月)から67歳までの年齢層に適用される。所得額が上限を超えると、年金支給額に差し引きを適用するという形で、年金支給額の膨張を抑制する機能が設定されている。政府は、年間7000ユーロという低めの上限額を勤労所得に設定し、これを超えた分の50%相当を年金支給額から差し引くという規制強化を検討しているが、企業側はこれに反対し、上限額を大幅に引き上げるよう要求している。企業側は、両取り規制を強めると、就労を継続する意義が薄れ、経験の豊かなスタッフを引き留めることができなくなり、人材管理の面から不都合が大きいと主張。また、政府が推進する高齢層の就労拡大という目標の達成にもマイナスになるとも主張している。
会計検査院の報告によると、勤労所得の両取りをしている年金受給者の数は70万人強(2020年)と推定される。報告書は主に、各種の支援措置が重ねて利用されることで、不都合に大きな恩恵が生じている可能性があると指摘し、各種措置の間の整合性を高めるよう勧告していた。