仏アルミニウム・ダンケルクをバーレーン・アルミニウム(Alba)が買収した。6月1日に買収合意が正式に調印された。
アルミニウム・ダンケルクを保有する米AIP(投資ファンド)が去る3月にAlbaを売却先に選んでいた。欧州委員会が数日前に買収計画を承認し、買収に向けた条件が整った。買収額は22億ドル(19億ユーロ)と、従来の予測(EBITDA倍率が4-6程度の12億-18億ユーロ)よりも高い水準に設定された。また、仏政府系金融機関BPIフランスが1億ユーロを出資し、6%株式を確保することも決まった。BPIフランスは取締役1名を送り込み、経営に参画する足場を確保する。これは、買収計画を認める上でフランス政府が求めた条件だったと考えられる。
アルミニウム・ダンケルクは、フランスのかつてのアルミ大手ペシネーに属していた資産で、その後、2018年までリオティントの傘下にあった。インド人実業家サンジブ・グプタ氏が買収したが、同氏は債務高から同社を2021年にAIPに売却。AIPは同社の立て直しに成功し、譲渡を決めた。
アルミニウム・ダンケルクは年商8億5000万ユーロ。年間に30万トンを生産し、10ヵ国程度に供給している。従業員数は750人で、Albaは全員を維持することを決めている。アルミニウム・ダンケルクはフランスにおける最大の電力需要家だが、EDF(仏電力)からの長期契約を先頃結び、年間消費量の4TWhの70%までを有利な条件にて確保した。これも売却を成功させる決め手になったと考えられる。
Albaは1971年に発足したアルミニウムの専門企業。年間160万トンを生産している。