蒸留酒の仏業界団体FFSはこのほど、2025年の業界統計を発表した。これによると、蒸留酒の量販店経由の国内販売は同年に、数量ベースで2%、金額ベースでも1.6%の減少を記録した。半面、外食店等における販売は、数量ベースで1.1%、金額ベースで1.8%の増加を記録した。ただ、量販店販売量が2億4000万リットル、外食店等における販売量が2100万リットル程度であることを考えると、全体としては後退が目立った。
アルコール消費は全体として減退傾向が続いている。そうした中で、パーティー型の消費に分類される製品(ウォッカ、ジン、リキュールなど)の外食店等における販売は伸びており、数量ベースで過去3年間では7.5%の増加を記録した。スプリッツ(発泡酒をベースとするカクテル)をはじめとするカクテル人気が牽引力で、そのまま飲めるカクテル製品や、ノンアルコールも売れ筋となっている。
輸出市場は苦戦が続いており、2025年には、仏蒸留酒の輸出額は37億ユーロと、前年比で17.4%の大幅後退を記録した。主力市場である米中がそれぞれの事情で低迷。米国市場では、トランプ米大統領が関税関連の威嚇を繰り返していることが特に響いている。その主な標的であるコニャックの輸出は25%程度と特に大きな後退を記録した。
このため、生産者の経営環境も悪化が目立っている。仏国内の蒸留酒の生産者の95%は中小企業が占めているが、業界企業の65%が、過去10ヵ月において「利益率が低下した」と回答。このほか、「減収を記録した」は57%、「資金繰りが悪化した」は69%に上っている。エネルギー、原材料、容器包装、輸送のコストが、インフレ高進の中で増大し、経営を圧迫する要因となっている。