欧州連合(EU)では8月2日から、2024年に採択されたAI法の透明性に関する義務に基づき、人工知能(AI)生成コンテンツにアイコンやラベルの表示が義務付けられる。欧州委の担当者は、真贋の見極めが困難になる中で、市民が閲覧・視聴するコンテンツの信頼性を保護することが重要だと述べた。
まず、対話型ロボット(チャットボット)やエージェント、アシスタント、バーチャルアバターなど、AIを活用した対話型システムは、その旨を明示しなければならない。AIシステム提供者には、AI生成コンテンツを容易に検出できるように、電子透かしなどの識別手段を組み込むことが義務付けられる。AIによって生成または改変されたテキスト、画像、動画、音声「ディープフェイク」については、業務でディープフェイクのコンテンツを公開する組織や個人に、AI活用コンテンツであることを明示する義務が課される。公益性の高いテーマについて一般向けに情報を提供する文章も、人間の監修を伴わずにAIで生成された場合には、表示義務の対象となる。欧州委は、コンテンツに貼り付けられる小型アイコンの見本や、企業による義務遵守を支援するためのガイドを公開している。違反した場合には罰金対象となる。なお、既存のAIシステム提供者には12月2日までの移行期間が設けられており、芸術、風刺、フィクション、創作などの作品や、編集のみにAIを活用した文章は、表示義務が免除される。 規制の複雑性に対する不満や懸念の声も聞かれるが、一部の大手プラットフォームでは、表示義務の適用に備えて自社ラベルが既に導入されている。TikTokでは数年前から、AIを活用したコンテンツ作成者に表示義務が課されており、作成者向けのツールや検出技術を整えることで、30億件を超えるコンテンツにラベルが表示されている。MetaのInstagramおよびFacebookでも、AIを使用した投稿に「AI Info」のラベルを導入済み。Googleは、AIの透明性に関する欧州の行動規範に署名し、Nvidia、OpenAI、Appleなどと電子透かしソリューションの導入に取り組んでいると言明している。