英王立造幣局(ロイヤル・ミント)は、いわゆる都市鉱山からの貴金属回収と、回収材料によるジュエリー製造に取り組んでいる。カナダのExcir社の新鋭技術を導入し、低コストでの回収を実現した。
カーディフ市(ウェールズ)近郊の拠点内でリサイクル作業を行っている。仏AFP通信の取材記事によると、取材当日には、イングランド銀行(英中銀)から回収した固定電話の処理が行われていた。機器を分解し、目視で回収できる分(鉛、プラスチックなど)については取り外し、電子回路を溶剤中に投入して、化学的な手法で金を溶かし出して回収する。Excir社が開発した技術では、常温にて回収が可能であり、熱の投入がないことからコストを低く抑えられる。溶剤の再利用が可能であることにも、有害廃棄物の発生を最小化できるメリットがある。固定電話1台につき30mg程度の金を回収できる。これは3ポンド程度の価値に相当する。携帯電話だと4ポンド程度の稼ぎになる。回収した金は、工場内で粉末に加工され、王立造幣局の自前のジュエリーブランド「886」(造幣局の設立年をブランド名とした)の原材料となる。同様の手法で回収した銀(古いラジオなどから回収)などの材料と共に、指輪などに加工される。専属のジュエリー職人は、材料がリサイクルでもまったく区別がつかず、製品の質は同じだと証言している。 金の価格はこのところ、出入りが激しい動きを示しているが、リサイクルに投入するエネルギーを小さく抑えて、費用を低めにできる限りは、リサイクルにより得られる利益は無視できない。