スペインの首都マドリードで9月26日、住宅問題に抗議するデモが行われた。87歳の女性が強制立ち退きの対象となった事件を受けて、デモが行われた。同日から、マドリードの中心地にあるプエルタデルソルを一部占拠する抗議行動も始まった。
スペインでは、観光業の成長に伴い、オーバーツーリズムの問題が他の諸国以上にクローズアップされている。それに絡んで、民泊の増大と連動する形で、家賃の上昇や物件の不足といった住宅問題が深刻化している。そうした中で、23日には、マドリード市内に住むマリカルメン・アバスカルさん(87歳)が強制的に住居から立ち退かされる事件が発生。その模様が大きく報じられ、物議を醸した。アバスカルさんは70年前から同じ住居に住んでいたが、住居を買収した不動産会社が家賃を一気に275%引き上げで月額2650ユーロにしたという。強制立ち退きを経て入院中のアバスカルさんは、公表された動画メッセージの中で、このようなことが二度とあってはならないとして、抗議行動を呼びかけていた。26日のデモには数万人が参加。続く広場占拠の抗議行動にも数百人の活動家らが合流している。
サンチェス左派内閣は、次回の閣議において、「マリカルメン法令案」を採択し、賃貸契約の自動更新や強制立ち退きの制限強化などを含む一連の対策を決める予定。ただ、サンチェス内閣は国会で過半数を持たず、法令案の採択には困難が伴うものと予想される。似たような内容の法案が今年に入り否決されたという経緯もある。