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マクロン仏大統領、スペインを公式訪問

マクロン仏大統領は9月29日と30日の両日、スペインを国賓待遇にて公式訪問した。国賓待遇での公式訪問はサルコジ大統領時代に遡り、20年近く前のことになる。両首脳は今回の訪問で両国の友好関係を強調した。

ただ、両国が2023年に結んだ友好条約の批准は遅れている。フランス側では国会による批准が完了しているが、スペインでは、上院が29日に批准法案を否決した。上院は野党の保守勢力が過半数を握っており、政治的な理由もあって条約の締結に反対している。特に、両国の閣僚が相手国の閣議の機会に訪問することができる旨を定めた条約の規定が反対の根拠となっている。政府は、閣議本体に相手国の閣僚が参加するわけではないと説明しており、憲法裁判所も付託を受けて政府の説明通りの条約解釈を示したものの、保守勢力は反対姿勢を崩していない。スペインのサンチェス首相は、マクロン仏大統領との共同記者会見の機会に、上院による批准否決を謝罪し、自らの任期終了までに批准を完了させると約束した。近く両院協議会が招集されて調停案の策定が図られる。マクロン大統領も、遅れているだけで大ごとではない、と述べて、サンチェス首相に対する理解を示した。

スペインとフランスの間の経済関係は堅固で、貿易高は900億ユーロを超える。スペインにとって、フランスは、最大の輸出先市場であり、また、輸入では第3位となっている。フランス企業はスペインで合計50万人程度を雇用している。

10年近く前に就任のマクロン大統領と、2018年に就任したサンチェス首相は、欧州連合(EU)においても最古参の指導者であり、個人的に良好な関係も築いている。ただ、見解が異なる点としては、中国に対する対応があり、フランスは、貿易不均衡を強く問題視して対中強硬派であるのに対して、スペインは中国企業の投資誘致に力を入れており、中国との関係を荒立てないことにこだわっている。他方、アフリカ大陸の北端にあるスペインの飛び地セウタに大量に不法移民が流入した件については、マクロン大統領は、スペインに対する全面的な連帯の念を表明し、域外国境の保護で協力する姿勢を再確認した。

KSM News and Research