シャンパーニュの地理的名称を使用できるぶどう畑の指定見直しがこのほど断念された。ぶどう栽培農家が原産地指定を担当する公的機関INAOと進めてきた協議を打ち切った。足元の需要後退を踏まえて、指定拡大につながる見直しを断念した。
シャンパーニュ業界は2003年から、増産を可能にする指定見直しの準備を進めてきた。当時は、順調な販売増加を背景に、将来的に供給不足に陥るリスクに備えて、指定区域を拡大して増産体制を準備することが課題だった。しかし、現在では風向きが変わった。シャンパーニュの出荷量は2022年に過去最高の3億2600万本を記録した後、後退が続いており、2025年には2億6600万本まで後退した。シャンパーニュ指定のぶどう畑は1927年の法律により定められており、5県(マルヌ、オーブ、エーヌ、オートマルヌ、セーヌエマルヌ)の319市町村にまたがる28万1000区画(合計3万4324ヘクタール)が原産地指定を受けている。2026年には、在庫調整を目的に、生産量の上限を2億5300万本とすることで業界の合意が成立。これ以上指定を増やすのは考えられない状況となっていた。
それだけでなく、指定見直しは、指定から外される区画が局地的に生じるリスクもはらんでいた。一部のぶどう農家は特にそのリスクを懸念しており、現状維持を意味する断念を歓迎している。その一方で、様々な理由から、シャンパーニュの指定から外れることを望んでいたぶどう農家もある。アシー町(エーヌ県)のぶどう農家3者は、発泡酒の製造を打ち切っており、シャンパーニュから外れて、イルドフランス地方の原産地名称に切り替えることを望んでいたが、その展望は遠のいた。別の名前を付けてご当地ワインを売り出した方が効果的だという判断があり、シャンパーニュ指定の下では増産も封じられてしまうという問題もある。