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欧州委、流入小包への手数料導入を計画

欧州委員会のシェフチョビチ委員(通商担当)は5月20日、欧州議会における答弁の機会に、欧州連合(EU)域外からの小包について、手数料を一律徴収する方針を明らかにした。中国のEC大手による商品大量流入を念頭に置いて対策に乗り出す姿勢を示した。

シェフチョビチ委員は小包1点につき2ユーロという額を目安と示した。EUは、域外からの小包について、価額150ユーロを上限として、関税を免除しているが、トランプ米政権が中国からの小包に対する関税導入を決めたことに伴い、中国のEC大手が捌け口を欧州に求めてさらに安値攻勢をかけるリスクがある。フランス政府は先に、それを抑止する目的で、2028年に予定されるEUの関税制度見直しまでの暫定的措置として、小包に係る手数料徴収を2026年にも開始する考えを示していたが、欧州委はそれに倣う形で、EU全体で同様の制度を導入する方針を固めたものとみられる。

価額150ユーロ未満の小包は2024年に46億個程度がEUに流入したが、その91%が中国からの到来となっている。過去2年間で2倍に増えた。フランスだけでも、価額150ユーロ未満の小包は8億個が到来している(小包全体は15億個)。

KSM News and Research