職場における飲酒・薬物摂取が増えている。検査専門企業Ithyloが調査結果を明らかにした。
法令によると、飲酒・薬物摂取が招くリスクが大きい職種においては、企業が従業員を対象にした検査を抜き打ちで行うことができる。Ithyloはそうした検査を請け負っている。同社の集計によると、検査陽性率は2017年の2.6%に対して、2025年には5.3%に上昇。2倍に増えた計算になる。新型コロナウイルス危機以降の増加が特に目立つという。特にコカインの摂取が目立ち、この8年間で実に13倍に増えた。数では大麻陽性が最も多い(陽性率1.8%)。飲酒は夕方以降の勤務時間帯において増える。
飲酒・薬物摂取の問題は、特に派遣雇用において大きい。調査対象者に派遣雇用が占める割合は15%だが、陽性率は大麻で25%、コカインで31%、アルコールで18%といずれも高めになっている。変形労働時間制の下で就労し、雇用が不安定な人ほど、依存症に陥りやすくなるリスクが大きい。夜勤チームにおいては陽性率が20%に上る場合もあったといい、コカインのような薬物は、睡眠を妨げて就労を続けるためのドーピング剤のように用いられている可能性もある。