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パリ株式市場CAC40指数の構成企業、2024年に減収減益

EYの集計によると、パリ株式市場CAC40指数構成企業の2024年売上高は合計で1兆6790億ユーロとなり、前年比で3.3%減少した。CAC40企業の売上高は、新型コロナウイルス危機を脱して以来で回復傾向が続いていたが、それが2024年には一段落した。純利益の合計額も12%減の1310億ユーロに後退。ただし、この金額は新型コロナウイルス危機前には1000億ユーロを超えたことがなく、歴史的にみると高めの水準にとどまっている。EYは、地政学的な状況が厳しさを増す中で、仏大手企業が耐性を示していると評価した。

売上高の推移については、構成企業の入れ替えの影響もある。2024年には、ビベンディ(メディア)に代わってビューローベリタス(検査・認証)が、アルストム(鉄道機器)に代わってアコー(ホテル)が、それぞれCAC40入りを果たしたが、両社とも企業の規模は相対的に小さく、名目上の売上高合計額が目減りした。この影響を除外すると、減収率は2%を下回るという。

営業利益率の合計は11.8%となり、4年連続で2桁台を維持した。業種により推移には違いがあり、金融部門を除くと、17社が上昇を、16社が低下を記録した。低下は特に、土木建設(10.4%から8.9%へ)とエネルギー・原材料・ユーティリティ(13.3%から11.9%へ)で目立った。これまで好調を維持してきた高級ブランド・化粧品でも、25.8%から23.1%へと低下した。 債務額合計は1890億ユーロとなり、8%の増加を記録。2019年以来では最高となったが、それ以前の水準(2006-19年の平均は2080億ユーロ)と比べるとまだ低い。債務額の増加は一部の企業に集中しており、企業買収により43億ユーロの純債務増を記録したバンシ(建設)、インフラ投資などが嵩み、純債務が330億ユーロに達したエンジー(エネルギー)などを挙げることができる。

KSM News and Research