社会党のパリ支部は6月30日、2026年の市議会選に出馬する市長候補を決める投票を行った。グレゴワール下院議員(元助役)が過半数の支持を得て選出された。
イダルゴ現市長は、次期市議会選には不出馬を表明しているが、後任としてフェロー上院議員を指名。パリ市の社会党党員により行われた今回の投票には、グレゴワールとフェローの両氏に加えてバレール氏も立候補し、3人の間で争われたが、得票率はグレゴワール氏が52.61%、フェロー氏が44.33%、バレール氏が3%余りとなり、グレゴワール氏が明確な差をつけて市長候補の指名を得た。投票者数は1500人と少なく、パリの社会党勢力の衰えを印象付けた。
グレゴワール氏は47歳。イダルゴ市長の下で筆頭助役を務めるなど、後継者候補と目されていたが、近年は市長との対立が深まり、2024年の総選挙に出馬して市の役職から退いていた。イダルゴ市長が、グレゴワール氏ではなく、フェロー上院議員を後任として指名したことにも、両者の険悪な関係がうかがわれるが、グレゴワール氏は今回の明確な勝利を以て、市長の影響力を退けることに成功した。イダルゴ市長は30日夜の時点でグレゴワール氏の勝利を祝福する短いコメントを発表したが、今後に何かと横やりを入れる可能性は否定できない。
パリ市市議会選では、ダティ文化相が世論調査で30%の支持率でトップを走っており、グレゴワール氏が挽回するとしたら、左派勢力の糾合を実現するのがカギになる。党内で勝利はしたが、市長当選への道は険しい。