フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

仏中銀、国民の現金へのアクセスに関する2024年報告書を公表

仏中銀の最新の報告書によると、フランス本土で2024年に現金自動支払機(CD)が1545台減少し、総数は4万2578台(前年比で3.5%減)に落ち込んだ。現金使用の減少に伴い、CDの台数は2018年末以来では19%減少した。

撤去は市街地が中心で、農山漁村地域におけるアクセスは現状維持であるという。報告書によると、2024年末時点では、全人口の98.8%が、車で15分以内の場所でCDを利用できる状況にあった。CDが1台もない町村の場合、最寄りの機械まで赴くための平均所要時間は9.2分で、前年と変わらなかった。

CDの運営は主に銀行ネットワークが行ってきたが、近年では、現金輸送業者(Loomis、Brinks、Euronetなど)による「独立系CD」の設置が増加している。2019年末には117台だったが、2024年末に961台に達した。

農山漁村地方では、CDに代わり、商店が一定額の現金を融通するサービスも普及している。2024年には全国で2万8479ヵ所の商店がこのサービスを提供している。銀行の決済カードから店舗側が資金を引き落とし、それを現金で顧客に渡すという仕組みだが、これまでは、商店の取引銀行と同じ銀行の決済カードを顧客が所有していない限りは取り扱いができなかった。これについては、GIEカルトバンケール(決済カード運営主体)の主導で、加入銀行の間で相乗りを可能にする試験サービスが始まっており、一般化すれば利便性が高まることが期待できる。

KSM News and Research