アイルランド籍の格安航空ライアンエアーはこのほど、冬期スケジュールにおいてフランス発着便を全体で13%削減すると発表した。ベルジュラック、ブリーブ、ストラスブールの3空港については乗り入れを廃止。その他の地方空港(19空港)の発着便については33%程度、主要ハブの3空港(パリ・ボーベ、トゥールーズ、マルセイユ)については10%、運航頻度を削減する。25路線が廃止され、全体で75万席分の輸送力が削られる。
ライアンエアーはこの削減の理由として、フランスが2025年予算法の枠内で導入した航空課税強化を挙げている。同社はその廃止を求めて再三にわたり働きかけてきたが、フランス政府はこれに応じず、ライアンエアーは脅しを実行に移した。同社によると、航空課税強化の規模は180%に上り、旅客1人当たりで25ユーロの負担増となる。ライアンエアーは、平均顧客単価が45ユーロであることを考えると、小規模の空港においては、この負担増では採算が確保できないと主張している。
ライアンエアーは4-6月期に8億2000万ユーロの純益を達成。2倍強の増益を達成している。フランス政府に対しては、冬期スケジュールにおける削減は確定だが、航空課税強化を撤廃することを条件に、25億ドル(25機の新型機導入に相当)をフランスで投資し、輸送力を年間3000万人まで倍増させることに応じると持ち掛けている。