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憲法評議会、ネオニコチノイド系農薬使用許可を違憲と認定

憲法評議会は8月7日、国会で可決された一連の法案について、違憲審査の結果を公表した。

農業関連法案(通称デュプロン法案)については、懸案だったネオニコチノイド系農薬アセタミプリドの使用許可に関する第2条を違憲と認定し、その削除を命令した。それ以外の条項は合憲と認定した。アセタミプリドはミツバチなど送粉者に害を与えるとして、フランスでは禁止対象となっているが、一部の農民から害虫被害の有効な対策がないとして、その解禁を求める要求が出されていた。法案は、特例措置としてアセタミプリドの使用を、申請を経て認める道を開く内容だったが、環境派はこれに強く反発しており、下院に対してなされた市民請願による署名運動には200万人を超える人が合流する空前の成功を収めていた。憲法評議会は、例外的使用許可の対象に制限がなく、使用方法(散布など)や期限に関する制限がないことを理由に、行き過ぎた許可であると認定し、その削除を命じた。

憲法評議会はその一方で、3大都市(パリ、リヨン、マルセイユ)の選挙法改正法案については合憲と認める判断を下した。同法案は、これら大都市における市議会選挙が事実上の間接制であることを改め、有権者が直接に市議候補に投票できるよう改める内容だった。憲法評議会はまた、マヨット海外県復興法案にも合憲認定を与えた。半面、不法滞在者の収容期限を90日から210日に延長する内容の法案については、違憲と認定してその削除を命じた。評議会は、「重大な違反で有罪となった者か、公序に特に重大な脅威となる者」について、収容期限を延長するとの規定について、規定が不明確であって行き過ぎた適用を招く恐れがあるとの理由を挙げて、違憲と認定した。

KSM News and Research