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会社更生法適用下のカルマット、バスティド会長が買収案を提示

会社更生法の適用下にある仏カルマット(Carmat)について、同社のピエール・バスティド会長が130万ユーロでの買収を提案した。8月19日にベルサイユ商事裁判所で開かれた審理の際に明らかにした。裁判所は9月30日に会社更生の是非について決定を下す。

カルマットは完全置換型人工心臓「Aeson」を製造している。心臓移植を待つ患者で、ほかに手段がない場合の延命手段として実用化されている。同社は2008年に発足、2010年に上場して開発を続けてきた。ただ、資金難で経営が行き詰まり、6月末までに必要だった350万ユーロの資金を確保するめども立たず、会社更生法の適用申請に追い込まれていた。

バスティド会長はカルマットの17%程度の株式を保有しているが、持株会社Hougouを通じて、ただちに130万ユーロの資金を注入すると約束。買収計画の採否によらず、注入した資金は会社に帰属するものとして、返済は求めないとも説明した。カルマットはまた、14日に中断された同社株式の取引を21日付で再開するよう請求した。裁判所の判断が注目される。

KSM News and Research