マクロン大統領は写真誌パリマッチの8月21日号とのインタビューの中で、ブリジット夫人に関する流言について、厳しい対応をする考えを再確認した。 ブリジット夫人については、性転換により女性になったという噂が2017年以来、極右系のコミュニティを中心に根強く出回っている。このデマは米国で大きく広がっており、特に、極右系のインフルエンサーとして知られるキャンディス・オーウェンズ氏が著書まで刊行して熱心に噂を広めている。マクロン大統領夫妻は、オーウェンズ氏を含み、流言の流布に関わった人物らを相手取った一連の訴訟を起こしている。大統領がこのような訴訟を起こすのは異例だが、マクロン大統領はインタビューの中で、完全な虚偽を流布されて名誉を損なわれたとし、「真実を回復することを妨げる行為を言論の自由とは呼ばない」と述べて、提訴という手段に訴える必要があるほど、事態は重大であると強調した。 専門家によると、2025年3月から5月にかけて、この「ブリジット」ネタはフランス語圏だけでも10億回の視聴を達成し、陰謀論テーマのトップ3に入った。足元での拡散の大きさと速さは異例の規模だという。マクロン大統領はこれを、民主主義を揺さぶる目的で、「オルタナティブ・ファクト」を後押しするポピュリズム勢力がネット上でキャンペーンを強化させている兆候とみなし、静観という従来の方針を捨てて、数ヵ月前から大統領府内に対応班を置いて、インターネット上のフェイクニュースの監視や早期対応に取り組んでいるという。