パリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)で、学生フォーラム上で2件のユダヤ人排斥事案が発生した。大学当局は司法当局に提訴すると共に、関係者を処罰する手続きを開始すると発表した。
事案の一つは、パリ第1大学の経済学部の新入生向けのインスタグラムのグループで発生。ユダヤ系の氏名の参加者を除名する告知をユダヤ人大学生連盟(UEJF)が発見し、公にしたことで大学側も反応した。それより前、8月24日には、WhatsApp上の新入生向けグループにおいて、「ユダヤ人に賛成・反対?」と問うアンケート調査が出回り、こちらも物議を醸した。
アンケートを投稿した人物はパリ第1大学の学生ではなく、マスコミの取材に対して、好奇心からユーモアでやったもので、人種差別の意図はなかったと説明している。インスタグラム上のグループに投稿された告知は、パレスチナ支持を明確に打ち出し、「シオニストやほかの人種差別主義者はここではお断り」などと記す内容だった。
ガザ地区における紛争を背景に、ユダヤ人を標的とするこの種の事案は各方面で数多く発生している。折しも、パリ地裁では15日に、パリ大学(ドーフィーヌPSL)のイントラネットに不正侵入し、18人のユダヤ人学生のプロフィール写真に「Free Palestine」というメッセージを重ね書きした学生(2024年10月)を被告人とする裁判で、執行猶予2年の禁固6ヵ月判決が言い渡された。被告人は裁判の際に、感情的になって行動したと弁明し、謝罪していた。