9月20日に欧州の一部の空港で遅れやキャンセルが相次いだ。空港業務のソフトウェアMUSE(米コリンズ・エアロスペース社製)に対するサイバー攻撃が原因だという。混乱は21日に入っても続いている。
ベルギーのブリュッセル空港では19日夜にサイバー攻撃の被害が出始めた。搭乗手続きと預け手荷物の受け入れの業務ができなくなり、20日には10便がキャンセルとなり、17便に1時間を超える遅れが出た。ロンドン・ヒースロー空港でも影響が目立ち、ベルリン空港でも影響が出た。3空港の合計で、発着便29便がキャンセルされた。ちなみに、同日の出発予定は、ヒースローで651便、ブリュッセルで228便、ベルリンで226便だった。また、アイルランドのダブリン空港とコーク空港でも小規模な影響が出たと発表している。
コリンズ・エアロスペースは米RTX(旧レイセオン)傘下。MUSEプラットフォームは世界の170空港で採用されているという。同社は、問題解決と機能の回復に向けて全力を尽くしているとコメントした。
仏タレス社の集計によると、2024年1月から2025年4月までで、航空部門を狙ったランサムウェアによるサイバー攻撃は27件を数えた。これは1年間で600%の増加に相当するという。航空会社、空港、下請け企業などが標的となっている。