独立機関CPO(公租公課委員会)はこのほど、いわゆる「生産に係る税」に関する報告書を公表した。減税政策の推進などを提言した。
「生産に係る税」は、国内の工業部門の再興を探る文脈でよく引き合いに出される概念で、生産事業を対象とする一連の課税を指している。経営者団体などは以前からその負担軽減を要求してきた。
報告書は、課税水準のみが企業の生産投資を左右する要因というわけではないが、有意の要因の一つであり、とりわけ課税水準に関する展望と安定性が、投資決定等に当たっては重要だと指摘。その意味で、政府が約束していたCVAE(事業所の付加価値を課税標準とする地方税)の廃止時期を、従来予告の2024年から2027年へ、さらに2030年へと先送りしたことを問題視した。法人税の標準課税率が33.33%から25%へ引き下げられたことについては、法人税税率がかなり頻繁に改定されており(2000年以来では据え置きが最長で4年間)、企業にとって安定性に乏しいことが問題だとし、2025年に適用されている大手企業対象の特別課税(年商10億ユーロ超の企業について30%の課税率を適用)についても、2026年以降に延長するべきではないと提言した。
報告書は、企業が長期的展望に立って事業を展開することができるように、多年次計画を示して課税水準の安定化を図るよう提言。さらに、「生産に係る税」の減税措置として、CVAEの廃止よりも、C3Sの廃止を優先するよう提言した。C3Sは、企業の付加価値を課税標準とする租税で、社会保障会計の財源の一つとなっており、年間税収は54億ユーロに上る。報告書は、税制を改正する場合には財源を確保することが税制の安定において重要だとの意見を再確認した上で、C3Sの廃止に当たっては、超過勤務手当を対象とする課税減免措置(使用者及び従業員負担)の廃止を決めるべきだとも勧告している。