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ルーブル美術館盗難事件:上院文化委員会でデカール館長が証言

ルーブル美術館で発生した盗難事件に関して、上院文化委員会は10月22日、ルーブル美術館のデカール館長の聴聞を行った。

館長はこの機会に、盗難の詳細な経緯について説明。犯人グループが侵入した窓ガラスは、サンゴバン社製の防犯ガラスを使用したものであったと説明。盗難された宝飾品が展示されていたケースは2014年に製造されたもので、ガラスの耐性は高く、犯人はこれを破壊はできず、ひび割れた場所から手を伸ばして宝飾品を奪取したものだと説明した。盗難品のうち唯一、路上に放棄されており回収ができた王冠については、展示ケースから犯人が引き出した際に破損したが、差し当たっての検討の末に、修復は難しいが可能であるとの結論を得たと説明した。

館長は特に、建物外部を監視するカメラの設置がなかったことを、警備体制の不備として認めた。ルーブル美術館側の説明によると、外側からの監視は美術館の権限には属していないという。デカール館長は2021年の就任以来で、建物の老朽化について数度にわたり警告をしてきたことを明らかにし、インフラの老朽化のため、近代的な装備を導入することができない状態にあると言明。それでも、自らが就任して以来で、134体の監視カメラを館内に設置したと説明した。

館長は、事件を経て辞表をダティ文化相に提出したが、文化相に慰留されたこともあわせて明らかにした。

KSM News and Research