番組制作大手の仏バニジェ(Banijay)は10月28日、オンラインギャンブルの独Tipicoを買収すると発表した。バニジェのゲーミング事業部門に統合する。
バニジェは、投資ファンドのCVCからTipicoへの持分を買収する。65%をまず買収し、将来的には72%まで出資率を引き上げる。買収額は30億ユーロ(債務の借り換え分含む)で、Tipicoの評価額は46億ユーロ相当となる。2026年中頃の買収完了を見込む。
バニジェは既に、オンラインギャンブル事業者のベットクリック(Betclic)を傘下に収めている。これにTipicoを合算すると、2024年実績でゲーミング事業の収入は30億ユーロ(ベットクリックのみだと15億ユーロ)、EBITDAは8億5000万ユーロの規模となる。ちなみに、Tipicoの合算後で、2024年のバニジェ・グループの年商は64億ユーロ、EBITDAは14億ユーロとなり、買収後で、番組制作事業とオンラインギャンブル事業がほぼ半々となる。買収によるシナジー効果は中期的に1億ユーロを期待する。バニジェは、買収後に事業分割を行う可能性を否定している。
ベットクリックはフランス、ポルトガル、ポーランド、コートジボワールで強く、Tipicoはドイツとオーストリアで強い。統合には地理的補完性がある。統合を経てスポーツ賭博事業の強化を進める。