10月30日発表のINSEE速報によると、7-9月期の仏経済成長率(前の期比)は0.5%となり、前の期の0.3%から加速した。INSEEは事前に、7-9月期の成長率を0.3%と予測しており、予測を超える勢いの成長が達成された。
最終四半期がゼロ成長になったと仮定すると、2025年通年成長率は0.8%となる。これは政府の公式予測より0.1ポイント高い。予想以上の経済成長率の確保により、2025年の財政赤字の対GDP比を、目標の5.4%より低く抑えることも期待できる。また、この調子なら、2026年を通じて経済活動が現状維持だったとしても、前年比の成長率は0.5%を確保できる見通しだといい、政府の公式予測である1.0%の達成も不可能ではなくなった。
7-9月期の経済成長率には、外需が0.9ポイント分と大きく貢献した。輸出は2.2%増加したが、輸入は0.4%の減少を記録した。他方、内需(在庫変動除く)は0.3ポイント分のプラス貢献を記録。逆に在庫変動は0.6ポイントのマイナス貢献に転じた(前の期は0.5ポイントのプラス貢献)。個人消費支出は前の期と同様0.1%増を記録。固定資本形成は全体で0.4%増を記録し、前の期のゼロ成長から増加に転じた。中でも、企業設投が0.9%増(前の期は0.2%増)と予想額の加速を示したことが注目される。生き残りをかけた投資と見据えて、DXなどの投資を企業が縮減しなかったことを示していると考えられる。建設投資も後退に歯止めがかかった。