鉄道エンジニアリングの仏大手シストラ(Systra)はこのほど、オーストラリア同業BG&Eを買収すると発表した。国際事業を強化し、企業規模を拡大する。
シストラは、かつては仏国鉄SNCFとRATP(パリ交通公団)の共同子会社だった。現在、両社の出資率は合計で40%まで低下しており、代わって、投資会社のラトゥール・キャピタルとフィマラックが合計で58%の株式を確保している。BG&Eは従業員数が800人、年商が1億1000万ユーロに上り、シストラにとって過去最大の企業買収となる。なお、シストラは現在の年商が12億5000万ユーロで、2030年までに20億ユーロの達成を目指している。シストラはオーストラリアへ2009年に進出。同社にとってオーストラリアは既に、フランスに次ぐ第2又は第3の市場で、300人のエンジニアを雇用している。BG&Eは、輸送部門が60%、「複雑な建築物」が40%という事業構成で、輸送部門の比重が95%と大きいシストラにとって、成長市場における事業の多角化を図れるという利点がある。BG&Eは、本国オーストラリアのほかに、シンガポール、ニュージーランド、中東、英国にも事務所を置いており、シストラに国際進出の足場も提供する。 シストラはこれより前、スペイン同業Ardanuy Ingeniera(従業員数350人)の買収も決めており、積極的な企業買収を展開している。