仏ゲームソフト大手ユービーアイソフトは11月21日、発表を延期していた半期業績を公表した。同じ機会に、中国大手テンセントとの資本提携が成立したことを明らかにした。
同社は13日夜の時点で、同日に発表予定だった半期(4-9月期)業績の発表を取りやめ、翌日よりパリ株式市場における自社株式の取引を停止すると発表していた。業績発表の延期は様々な憶測を招いていたが、同社は21日に、会計上の解釈の問題で公表する財務諸表を見直す必要が生じたとの理由を挙げて半期業績を公表した。懸案のテンセントとの資本提携の成立が発表されたこともあり、同社株価は21日終値で3.87%の上昇を記録し、時価総額は9億5500万ユーロとなった。それでも同社株価はまだ低めの水準にとどまっている。
テンセントとの提携では、ユービーアイが75%、テンセントが25%を出資する新会社が設立され、この会社にユービーアイの3大タイトル(ファークライ、アサシンクリード、レインボーシックス)のライセンス供与がなされる。テンセントはこの取引に11億6000万ユーロの現金を投資、うち5億ユーロはユービーアイに吸い上げられ、債務削減に充当される(9月末時点の非IFRS基準による純債務は11億5000万ユーロ)。なお、21日に発表された半期業績では、7-9月期に4億9080万ユーロの収入が達成されるなど、市場の予想(4億3000万ユーロ)を上回る数字を記録した。4-9月期の営業利益は2710万ユーロを記録したが、最終収支は1億6140万ユーロの赤字となった。赤字幅は前年同期の2億4650万ユーロと比べると縮小した。20日リリースした新ゲーム「Anno 117:Pax Romana」は出足好調という。