マクロン大統領は11月25日、民放ラジオ局RTLとのインタビューに応じて、懸案のウクライナ和平交渉など国防問題を中心に見解を説明した。
大統領は、ウクライナ和平交渉について、ウクライナの自由を奪い、ロシアが好きなようにできるという形になる「降伏」であるような和平なら、我々は望まないと言明。ロシアに他の国々へも進む自由を与えたら、それは我々すべての安全保障を危険にさらすことになる、と述べた。大統領は、トランプ米大統領が提示した28項目の和平案について、全体としてよい方向にあると評価したが、議論や交渉、改善が必要な点があると言明。停戦ラインをウクライナに代わって決めることはできないとし、ロシアの凍結資産を米国主導のウクライナ再興プロジェクトの原資にするとの案についても、欧州が決定すべき問題だとした。
マクロン大統領はまた、ロシアが欧州諸国に対してハイブリッド攻撃を仕掛けており、きわめて攻撃的な姿勢を示していると指摘。これに対して弱い姿勢で臨めば相手はさらに進んでくるとして、欧州は弱みを見せてはならないと強調した。
大統領は近く、「任意国民役務(SNV)」の名称で、任意制度ではあるが兵役に近い制度の導入を発表する予定だが、この新制度について大統領は、詳しく説明するのは避けたが、国の若者らをウクライナに派遣するという趣旨では一切ないと強調。国の守りを固める制度作りの一環だと説明した。
大統領は、難航している国会の予算諸法案審議については、国会の政治勢力が責任ある姿勢で臨み、数週間以内に妥協点を見出すことに期待する、と言明した。