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法定最低賃金(SMIC)の年次改定幅、1.4%となる見込み

法定最低賃金(SMIC)の年次改定に関する政府諮問委の報告書がこのほど公表された。所定の数式に基づく引き上げで十分とする判断を示した。

SMICは毎年1月1日付で所定の数式に基づいて改定されるが、政府は自らの判断でより大きな引き上げを決めることができる。SMICの年次改定は、物価上昇率(所得水準下位20%の世帯を念頭に置いた製品パネルについて測定)に、ワーカー・従業員の平均昇給額に対応する購買力増加分の半分を上乗せすることでなされる。これで計算すると、物価上昇率について0.8ポイント分、購買力増加分について0.6ポイント分の引き上げがなされる見込みで、合計では1.4%と、全般的なインフレ率を上回る水準で改定される。金額では、月額(現金給与総額ベース)で1827ユーロと、25ユーロの引き上げとなる。正式な数字は12月中旬にならないと確定しないが、諮問委はこの改定で十分との判断を示した。なお、前回のSMIC改定は、2024年11月の2%に遡り、これは2025年年頭の年次改定の前倒しとして実施された。 諮問委は、前年までと同様に、改定幅決定の数式を改正することを提案。ただしこの提案が採用される可能性は低い。諮問委はその一方で、使用者負担社会保険料の全般的減免措置についても改正を提案。同措置は、2025年まではSMICの1.6倍までの就労者を対象に逓減式にて適用されているが、この措置が、適用域を超える領域への賃金の引き上げを妨げて、低賃金雇用に就労者を閉じ込めてしまうという問題点が指摘されており、政府は2026年年頭よりこれを改正し、上限をSMICの3倍にまで引き上げると同時に、逓減性をより大きくすることを計画している。諮問委はこの改正を歓迎しつつ、減免上限を2倍へと引き下げることを勧告した。

KSM News and Research