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ダエール、仏軍向けドローンの実証機を開発:初飛行に成功

仏ダエール(航空機部品)は12月2日、フランス軍装備総局(DGA)の依頼に基づいて開発したMALE(中高度長時間滞空無人機)の実証機の飛行試験が成功したと発表した。DGAとの間で仕様を詰めて正式契約の獲得を目指す。

DGAは去る6月、MALE開発事業でダエールを含む5社を選定し、個別に協約を結んでいた。ダエール以外はいずれもベンチャー企業(Aura Aero、Fly-R、SE Avio、Turgis&Gaillard)だった。2026年末が実証機の飛行成功の期限に設定されていたが、Turgis&Gaillard(9月)に続いて、ダエールは2社目の飛行成功となった。

ダエールが開発した「EyePulse」は、同社の商用ターボプロップ機「TBM」をベースとしており、これがスピード開発の決め手になった。総重量5トン、積載可能重量は最大500kg。仏タレス社の自動操縦システム「ScaleFlyt」を採用し、積載重量に応じて12-24時間の連続飛行ができる。なお、Turgis&Gaillardが開発した「Aorak」も、タレスのアクティブアンテナレーダーを採用している。

ダエールは、TBMをベースとしていることから、量産体制の確立とコスト制御は問題ないと説明。国内タルブ市の工場では現在、年間で50-60機のTBMが組み立てられているが、米国に2027年をめどに年産30機の生産ラインを整備する予定であり、TBM事業のディスパッチにより余裕を得て、フランス軍向けのドローン製造をタルブ工場にて年産最大40機(2028年)で行うことができるとしている。フランス軍は2030年の配備開始を予定している。

KSM News and Research