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欧州市民の半数がロシアとの戦争可能性を予想

仏大手出版社ガリマールが発行する地政学雑誌Le Grand Continentの依頼により、仏調査機関Cluster17が欧州9ヵ国の約1万人を対象として、ロシアの軍事的脅威に関する世論調査を実施した。向こう数年間にロシアが自国と戦争に入る可能性について、51%が可能性は高いと回答した(「非常に高い」が18%、「高い」が33%)。ちなみにプーチン露大統領は最近の発言で、欧州と戦争する準備ができていると言明した。

ロシアとの戦争の可能性に関する見方は国により違いがある。ロシアと近いポーランドでは、すでにロシアによると思しいドローンの飛来やサボタージュで危機感が強まっていることもあって、77%が可能性は高いとしている。ロシアによる欧州向けハイブリッド攻撃の4分の1程度を受けているとされるフランスでも、54%が戦争の可能性は高いと判断。それに対して、イタリアではこの割合は34%に過ぎない。Cluster17によると、同国では平和主義の影響で、軍備強化や対ウクライナ支援への反対が強いという背景事情があるという。

ロシアによる軍事攻撃を受けた場合に、自国に自衛能力がないと考える回答者の割合は全体で69%に上った。特にベルギー(87%)、イタリア(85%)、ポルトガル(85%)、スペイン(76%)で高かった。一方、欧州連合(EU)で唯一の核兵器保有国であるフランスでは、この割合は44%と比較的に低い。ただし軍事専門家によると、フランス軍は、高強度紛争に対応可能な編成ではないという。

KSM News and Research