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マクロン大統領、中国の公式訪問終える

マクロン大統領夫妻は12月3日から5日まで、中国を国賓待遇で公式訪問した。中国側はフランスに対して譲歩を示さなかった。

中国の習国家主席は12月4日にマクロン大統領と会談。マクロン大統領はこの機会に、ウクライナ問題について、和平の実現に向けてロシアへの圧力を強めるよう中国側に要望したが、習国家主席は、「無責任かつ差別的なあらゆる批難に中国は断固として反対する」と言明し、フランスや欧州側が中国のロシアへの協力的な姿勢を問題視していることには取り合わない姿勢を示した。通商問題については、フランス側は、フランスの対中貿易赤字が10年間でほぼ2倍(2024年に470億ユーロ)に増えたことを問題視しており、マクロン大統領は、この状況を持続可能ではないとして是正を求めたが、中国側は、欧州が技術的な競争力を失ったことが原因としてやはり取り合わなかった。習国家主席は、内需振興の5ヵ年計画に着手したことを挙げて、これが貿易不均衡の是正に貢献するとの見方を示唆するにとどめた。

このほか、バロ外相と王外相との会談では、王外相が、台湾問題を巡り対立する日本政府を支持する姿勢を表明しないよう、フランス側に釘を刺す場面があった。フランス側は、現状維持とエスカレートの回避を呼びかける従来の立場を表明したが、中国側はこれに耳を貸さなかった。

マクロン大統領とブリジット夫人は、最終日の5日には、中国のピンポン外交とパンダ外交に付き合わされた。フランスに貸与されたパンダ2頭が先頃、中国に戻されたばかりで、仏国内に残るのはその子どもである2頭のみとなっている。この2頭も2027年に中国が引き取ることが決まっており、その後のパンダ事情がどうなるかがフランス側の懸案事項だった。習国家主席は4日時点で新たな貸与を行う決定を公表。フランス側にとってはこれが今回の訪問の目立った成果となった。

KSM News and Research