夫婦の性交渉を義務としない方向で民法を改正する議員立法法案が1月28日、下院を通過した。次は上院で審議される。
法案は超党派議員により、去る12月に提出された。同意のない性行為を強姦と定義する刑法改正が行われたのとも絡んで、夫婦間の性的暴行問題について意識を喚起する目的もあり、法案がまとめられた。法案は1月21日に全会一致で下院法務委員会を通過していた。
フランスの民法典には、定期的な性行為を夫婦の義務と明示的に定める条項はないが、離婚訴訟において、離婚を正当化する事由としてこれが認められることがある。2025年1月23日の欧州人権裁判所の判決は、この問題でフランス政府に法令改正を求めており、今回の法案はこの判決にも呼応している。なお、欧州人権裁の判決は、数年間に渡り性交渉を拒否し続けた妻について、これを婚姻の義務と責務に対する重大な違反と認定した仏国内裁判所の判決を不服として、妻側が起こした提訴を受けて下されたものだった。
法案は、「共同生活を営む相互的な義務」を定める民法典第215条に、「性交渉を配偶者に義務付けるものではない」とする文言を追加することと、離婚に関する民法典第242条に、「性行為の拒否又は不在は、過ちを理由とする離婚の事由にはなりえない」とする文言を追加する旨を定めている。これにより、離婚訴訟においてセックスレスが持ち出されるのを封じる狙いがある。