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ベル、ベビーベルの包装を見直し:外装のセロハンを紙に

チーズ大手の仏ベルは、主力製品「ベビーベル(Babybel)」の包装を紙に切り替える計画で、マイエンヌ県エブロン市の工場で一部の生産ラインの切り替えを終えた。2027年末までに同製品を製造する他の工場にも導入する。

ベビーベルでは、円盤型のチーズが特徴的な蝋の外殻(食べられない)で覆われている。その上にセロハンの包装を施しているが、この包装を紙に切り替える。環境配慮をさらに推進する姿勢を打ち出した。

紙の選択などを含めて、切り替えには立案段階から5年を要し、数百万ユーロが投資されたという。ベビーベルは年間20億個が生産されており、昨年には6%の増産を実現。半分がエブロン工場で製造されているが、このほかに、エブロンに近い国内の1工場と、米国、カナダ、スロバキアの各1工場でも製造がなされている。包装を紙に切り替えることで、年間2500トンの温室効果ガスの排出を削減できる(62%の削減に相当)。現行のセロハンも、天然素材を用いてコンポスト化が可能だが、それだけに費用が高めであり、紙に切り替えることによる追加費用は発生しないという。

ベルはさらに、キリ(クリームチーズ)の包装をアルミニウムから紙に切り替える準備も進めている。こちらは、直接に食物と接触して保護する包装であるためよりハードルが高く、研究開発の段階だという。キリと並ぶ同社のクリームチーズの代表的製品であるラッフィングカウでも将来的に切り替えを進めるが、キリが直方体であるのに対して、ラッフィングカウは扇型を底面とする立体であることから、複雑性が高く、さらにハードルが高くなるという。

KSM News and Research