仏酒造大手ペルノ・リカールと米同業ブラウンフォーマンの合併交渉が失敗に終わった。4月28日に両社が明らかにした。
ペルノ・リカールは声明において、「両社間で相互に受け入れ可能な条件に達することができなかったため、協議は終了し、合意には至らなかった」と説明。ブラウンフォーマンも別途の声明において交渉の失敗を認め、「戦略的および事業上の優先事項に集中し、すべてのステークホルダー向けに長期的な価値を創出する」方針を表明した。
世界的にアルコール市場が低迷する中で、両社は3月末に合併に向けた協議を行っていると発表。当初から、交渉がうまくいく保証はないと説明していた。時価総額はペルノ・リカールの150億ユーロ(170億ドル)超に対してブラウンフォーマンは約120億ドルと差があるが、ブラウンフォーマンは「対等合併」に言及。その約10日後には、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、米同業サゼラックがブラウンフォーマンに対して買収提案を行ったと報じた。ペルノ・リカールとは主に株式交換による合併が交渉されていたのに対して、サゼラックはブラウンフォーマンに対して150億ドルでの現金による買収を提案したとされる。サゼラックは400年近い歴史を有する家族経営の企業で、米ケンタッキー州や仏コニャック地方など、世界各地に蒸留所を所有。スピリッツのブランドを多数展開している。ただし、サゼラックの登場が合併交渉決裂の理由では必ずしもなかった模様。ペルノ・リカールの広報担当者は、ロイター通信に対して、特定の問題ではなく、負債構成や経済状況に関連した「要因の組み合わせ」を反映したものと説明している。
ペルノ・リカールは4月16日、今年は「過渡期の年で、後半になって改善傾向が現れる」として、年間の業績目標を下方修正していた。