2015年11月13日にパリ同時多発テロ事件が発生してから近くちょうど10年を迎える。このテロ事件では、コンサートホール「バタクラン」や、パリのカフェのテラスなどが標的となり、100人を超える死亡者を出した。13日には慰霊式典が行われる。
これと絡んで、パリで爆発物によるテロを計画していた容疑で、20歳前後の女性3人が去る10月に逮捕されていたことが報じられた。爆発物を仕込んだベルトを装着して、コンサート会場かカフェ・バーなどの襲撃を計画していたという。現実味のある計画ではなかった可能性も高いが、イスラム過激主義が社会の周縁的な層に浸透していることを改めて浮き彫りにした。
逮捕されたのは、首謀者とみなされているリヨンに住む19歳の女性と、ビエルゾン市に住む車いす生活の21歳の女性、そして、やはりリヨンに住む18歳の女性の3人。3人はいずれも、イスラム教サラフィズムに帰依し、外出時には全身を覆う衣装ニカブをまとっていた。3人はネット上で知り合い、イスラム原理主義と自殺願望を共有しており、首謀者格の女性は、爆発物や武器の調達などの計画をメモに残していた。情報機関はネット上の監視を通じて、最初に首謀者格の女性を発見し、次いで他の2人との交信を察知。具体的な計画段階に進んだと疑われた時点で3人を逮捕した。先月10日時点で3人の容疑者認定を行い、現在は勾留が継続されている。