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ボルヌ首相、失業保険と年金改革で譲歩の姿勢示す

ボルヌ首相は10日に年金改革の骨子について発表する。労使代表との最後の協議を4日に再開する。労組は改革案の内容に対する反発を強めており、この1月にはストなどの抗議行動が始まる恐れもある。
政府は反発に配慮し、一連の譲歩に応じる姿勢を示している。ボルヌ首相は3日には、失業保険制度改正を巡り労組が特に反発していた項目の導入を延期する考えを表明。失業率が6%を下回った時点で、失業手当の支給期間の短縮率を40%に引き上げるとする措置の導入を、2024年年頭以降にすると予告した。ただ、単なる「延期」で労組の反発が収まるとは考えにくい。また、2月1日以降の登録者について給付期間を25%削減するという改革の本体部分に変更はない。
ボルヌ首相は、年金改革については、定年年齢(年金受給開始の権利が得られる年齢)を現在の62才から65才に引き上げるという政府案について、「65才という年齢は絶対に譲れないものではない」と言明し、引き上げを64才までにとどめて、年金拠出期間の引き上げと組み合わせるという形で決着を図る可能性を示唆した。これは、保守野党の共和党が推している案であり、共和党の協力が得られれば、法案を可決させる展望が開ける。ただ、こちらについても、労組は一様に定年年齢の引き上げそのものに反対しており、反発が収まる気配はない。

KSM News and Research