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ラポスト、郵便配達の頻度引き下げを試験導入

ラポスト(郵便)は、この3月より、郵便配達の頻度を引き下げる取り組みを全国の68地区で試験的に導入する。毎日の配達巡回を廃止し、都市部と農山漁村地域の両方で、それぞれの地区の実情にあわせた取り組みを進める。ソー(オードセーヌ県)、モワサック(タルヌエガロンヌ県)、ジュエレトゥール(アンドルエロワール県)、エペルネー(マルヌ県)などで行われる。
ラポストはこの年頭より、翌日配達の「赤切手」サービスを廃止。代わりに、電子メールと組み合わせたハイブリッドサービス(差出人が用意した文面を名宛人の居住場所近くで印刷して書簡として配達する)を導入したが、その利用は従来の翌日配達サービスに比べて減少することが予想される。同時に、2日後配達の「緑切手」サービスは3日後配達に改められた。ラポストはこれらを踏まえて、配達を最適化する目的で、新体制を試験的に導入する。具体的には、社内開発のアプリ「Mobilia」を利用して、3日後配達を守れる限りで配達すべき郵便物をストックし、また、郵便物がある名宛人に限定した周回ルートをその都度設定することで、周回の頻度や配達人の作業負荷を減らしても約束した役務の水準を達成できるようにする。他方、速達や書留、新聞雑誌等の配達は毎日の役務が保証されるようにする。
ラポストが配達する郵便物は、2008年には年間180億通に達していたが、現在では60億通にまで減少。2030年には30億通にまで減少するものと予想されている。将来的な事業規模の縮小に対応する体制を整えることに迫られているが、労組側は人員削減を懸念している。

KSM News and Research